2017年05月01日

こどもの発熱 ー熱とお風呂ー

clinic.jpg 月曜日は医学講座の日。なぜなら人間のからだを表す言葉には「月」(ニクヅキ)のつく漢字が多いから。

  お子さんが熱を出して診察にいらした方の多くは、帰り際に「熱があったらお風呂いい気分(温泉)はやめといたほうがいいですか?」とお訊きになります。日本では昔から「熱があったら風呂はだめ」が常識でした。ところが30年ほど前から「西洋では熱があると水風呂に入れる」という情報が入ってくると、熱とお風呂の関係が混乱し始めます。

 私はその頃まだ新米からやっと中堅の仲間入りしたぐらいの小児科医でしたが、やはり気になって色々調べました。その結果、病院などでは緊急に熱を下げるために水風呂を使うことはあっても、一般家庭ではそんなことはやっていないということがわかりました。日本でも緊急に熱を下げなければいけないときに、こどもの体中にアルコールを塗りたくってしまうことがあります。アルコールは揮発性ですからすぐに蒸発してしまい、そのときの気化熱がこどものからだから熱を奪ってゆき熱が下がるのです。熱を逃がすということですね。

pingushower.jpg それはともかく、熱があるときにお風呂に入ってもよいのかだめなのかの話に戻りましょう。「熱があったらお風呂はやめといたほうがいいですか?」というご質問に私は「熱があるときお風呂にはいること自体は絶対ダメというほどのことでもないけれど、本人がいやがるようなそぶりを見せたら絶対にやめておきましょう。また、湯船にはいるのは避けてシャワー程度にしたほうが無難です。どうしてかというと、日本のお風呂の温度は高すぎるんです。普通日本人がお風呂と感じるのは40℃以上なんですね。37〜38℃だととてもお風呂とは思えない。だから、たとえば39℃の熱がある子が日本のお風呂に入るとお湯の温度のほうが高いですから温められてよけい熱が上がって右斜め上しまうんです。西洋人みたいに37〜38℃のお風呂に入れば今度はお湯の温度のほうが低いですから冷やされて熱は下がります右斜め下が、日本人にとっては水風呂みたいなもんですから湯冷めしてよけい病気が重くなってしまうかもしれません。そういった意味で熱があるときはぬるめのシャワーぐらいにしておいたほうが無難だということなんです。

 西洋のお風呂の温度は37〜38℃、日本のお風呂は40℃以上。これは文化の違いですからそう簡単に切り替えられるものではありません。いくら生活が「欧米化」しても感覚的なことってすぐには変わらないんですね。



posted by YABOO!JAPAN at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所医学講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする