2017年06月27日

三大夏風邪じわじわ増加

mizueyubisashi.jpg 「江戸川区感染症定点観測」(区内31か所の定点指定医療機関での患者発生数報告)の6月12日から6月18日までの集計結果です。速報とはいえませんが、流行の流れはお伝えできると思います。

 三大夏風邪ともいわれるプール熱ヘルパンギーナ手足口病がじわじわと増加しています。プール熱は何週間か前から2桁の報告数が続いていますが、今週は手足口病の報告数が一気に13例も増えて、プール熱の報告数を上回ってしまいました。もう一つのヘルパンギーナの報告数は9例で2桁に迫っています。今後感染症はこの3つの疾患を中心に動いていくものと思われます。

 インフルエンザは今週も成人に1例の報告(B型)が出ています。小児では葛西地区に3例と小松川地区に1例の計4例(すべてA型)が報告されています。流行とは言えませんが、ポツリポツリという発生が今後も続くものと思われます。かねてから申しておりますようにインフルエンザは決して冬だけの病気ではないのです。

 感染性胃腸炎(-8例)と溶連菌感染症(-14例)は今週どちらも小幅の減少となりました。感染性胃腸炎は区内全域に報告が見られ、溶連菌感染症はやはり葛西地区での報告が特に目立っています。この2疾患はこのところ同じように増減を繰り返していますが、特に医学的な理由があるわけではありません。

 水痘は2例減少しましたがまだ2桁の報告数を維持しています。区内全域から少数ずつの報告が見られます。

 今週報告数が2桁増加した疾患は手足口病でした。2桁の減少を見せたのは溶連菌感染症ですが、先週までと比べれば小幅な動きとなっています。

 この週2桁以上の報告数があったのは先週と同じ5疾患でした。顔ぶれは同じですが、順位には変動がありました。

第1位《1》感染性胃腸炎(報告数153)
第2位《2》溶連菌感染症 ↓↓(報告数56)
第3位《5》手足口病 ↑↑(報告数23)
第4位《3》プール熱(報告数19)
第5位《4》水痘(報告数10)

 《 》内の数字は先週の順位、数字0はその週の報告数が1桁だった疾患です。(矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています/報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区全体の医療機関からの報告数ではありません)

 定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹風疹百日咳の3疾患とも報告数は今週もゼロでした。このブログの更新を再開してからですと18週連続となります。

 水痘は、先にお伝えした通りで、報告数は2例減少しましたがまだ2桁の報告数です。予防接種の努力を続けて少しでも早く水痘を撲滅しましょう!


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2017年06月26日

熱性けいれん −シーズン5−

clinic.jpg 月曜日は医学講座の日。なぜなら人間のからだを表す言葉には「月」(ニクヅキ)のつく漢字が多いから。

 熱性けいれんの予防には”ダイアップ”というお話しを前回いたしました。今回はその具体的な使い方のお話です。

 ダイアップが臨床の場で使われるようになった頃の指導はこうでした。「熱が38.0℃を超えたらダイアップを入れてください。そして8時間後に熱を測って、そのときも38.0℃以上だったら2回目のダイアップを入れてください。」つまり、2回目は熱が下がっていたら入れなくてもよかったんですね。

 ところが、1回目のダイアップを入れてから8時間後は熱が下がっていたけど、12時間、あるいは16時間後に熱が上がってきたときどうするかということになって、使い方の指導が変わってきました。同時に、38.0℃で入れたのでは間に合わないということも問題になってきました。こういう状況の下では指導する側にも混乱が生じます。

 「8時間後に熱がなければ2回目は使わないが、熱が上がったらその時点で使う」という医者もいれば、「熱があってもなくても8時間後には2回目を使う」という医者もいます。
「37.5℃になったら使う」という医者もいれば「38℃になってからでよい」という医者もいます。それぞれが「こどもの熱性けいれんをなんとか予防したい」という強い気持ちで指導していることなので一概にどのやり方が正しいとはいえない部分があります。

 そこではどのようにお話ししているかというと、「38℃になったら1回目を使いましょう。8時間経ったら熱があってもなくても必ず2回目を使いましょう。ただし、お子さんがとても寒がっていたり、顔色が悪くて、熱が急激に上がりそうだと思ったら、37.5℃で1回目を使ってください。37.5℃で使ってその後一度も38℃を超えなかったら2回目は使わなくてもいいでしょう。」です。理由は次の通りです。

 ダイアップは12時間から16時間は効果が続きます。でもその頃には効き目のピークは越えてしまっています。ですから、1回目を入れて12時間も16時間も経ってから2回目を入れるのは、また1回目を入れるのとそんなに変わらなくなってしまいます。1回目から8時間後というのは効き目のピークです。その頃2回目を使うと効き目はジャンプアップして、24時間以上効果を発揮するようになるからです

 また、熱が急激に上がるかどうかを判断するのはムズカシイのですが、一般的にはゆっくり上がるときよりも寒気を訴えますし、顔色も青白くなります。その場合には37.5℃で使ったほうがいいとは思いますが、現実問題としては37.5℃の瞬間というのはほとんど捉えることはできません。お子さんが寒気を訴えて青白い顔をしている、額にさわったら熱がある、こんな状態のときには熱はあっという間に38℃を超えてしまっているのです。けれども、皆さんありがたいことに医者の言うことには大変忠実で、「38℃を超えたら」と言われている親御さんが熱を測ってたまたま37.8℃だったら、「38℃まで待たなきゃ」と考えてしまうんですね。熱は上がるときには5分とか10分で1℃ぐらいすぐに上がってしまいます。37.8℃を確認した次の瞬間には38℃を超えているかもしれないんです。そういうことを考えて、「熱が急激に上がりそうだと思ったら、37.5℃で1回目を使ってください。」とお話ししています。

 熱の初日はこれでたいてい乗り切れるでしょう。問題は翌日以降も熱が続いているときどうするかです。熱性けいれんはほとんど病気の初日に起こります。そして、8時間間隔でダイアップを2回使えば効果は24時間以上期待できます。ですから「ダイアップを正しく2回使えば、2-3日は大丈夫」とお話ししています。でもどうしても心配な方には「2回目を使ってから24時間毎に追加を使ってもいいですよ。でもお子さんは相当フラフラして歩けなくなっちゃいますよ。」とお話ししてはいますが・・・。
 
 そうなんです。2回だけでもふらついちゃう子がいるんです。3回使ったらほとんど酔っ払いの千鳥足か、1日中眠ってばかり。ですから私は3回目以降はお勧めできないと思っています。

 今回もずいぶんと長くなってしまいました。まだ大事なことがあるので次回に回しますが、最後に、「ダイアップはけいれんを止めるクスリでもある」ということをお忘れなく!ダイアップを1回使ったあとでも2回使ったあとでも、また、全く使う前であっても、もしけいれんを起こしてしまったらその場ですぐにダイアップを使ってかまいません
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2017年06月24日

週間診療情報(6月26日から7月2日まで)

kanban600.jpgこども診療所の来週の診療日で特にお知らせしたい情報です

この週の変更はありません
月曜から土曜まで
いつもどおりの診療です


診療時間の変更や臨時休診などは毎週掲載しています
受診前に確認なさることをお勧めします
(1か月の予定は月初めにホームページに掲載しています)



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2017年06月20日

感染性胃腸炎と溶連菌感染症また増加

mizueyubisashi.jpg 「江戸川区感染症定点観測」(区内31か所の定点指定医療機関での患者発生数報告)の6月5日から6月11日までの集計結果です。

 先週2桁の大幅減となった感染性胃腸炎(-56例)と溶連菌感染症(-26例)が両方とも今週は2桁の大幅増となりました。感染性胃腸炎は区内全域に報告が見られ、溶連菌感染症は葛西地区での報告が特に目立っています。

 インフルエンザは今週成人に1例の報告が出ています。流行とは言えませんが、ポツリポツリという発生が今後も続くものと思われます。先週も申しましたようにインフルエンザは決して冬だけの病気ではないのです。

 先週1桁の報告数になった水痘は9例増加して再び順位表に顔を出してしまいました。小松川地区での報告が目立っています。

 逆におたふくかぜは7例減って、報告数が再び1桁になりました。

 今週報告数が2桁減少した疾患はありませんでした。2桁の増加を見せたのは感染性胃腸炎(+32例)と溶連菌感染症(+29例)でどちらもかなり大幅な増加です。先週大幅減だった2疾患が元に戻ったという感じです。

 この週2桁以上の報告数があったのは、水痘が2桁台に復帰し、おたふくかぜ突発性発疹が1桁に後退したため、先週より1疾患少ない5疾患でした。順位は次の通りです。

第1位《1》感染性胃腸炎 ↑↑(報告数161)
第2位《2》溶連菌感染症 ↑↑(報告数70)
第3位《3》プール熱(報告数14)
第4位《0》水痘(報告数12)
第5位《5》手足口病(報告数10)

 《 》内の数字は先週の順位、数字0はその週の報告数が1桁だった疾患です。(矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています/報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区全体の医療機関からの報告数ではありません)

 定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹風疹百日咳の3疾患とも報告数は今週もゼロでした。このブログの更新を再開してからですと17週連続となります。

 水痘は、先にお伝えした通りで、今週の報告数は先週より9例増えて12例でした。2桁増に近い勢いです。予防接種の努力を続けて少しでも早く水痘を撲滅しましょう!

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2017年06月19日

熱性けいれん -シーズン4-

clinic.jpg 月曜日は医学講座の日。なぜなら人間のからだを表す言葉には「月」(ニクヅキ)のつく漢字が多いから。

 熱性けいれんはその場限りのもので後遺症を残さないとは言っても、医者の私でさえ見るのがつらい状態ですから、できればけいれんを起こさせないようにしたいものです。

 熱性けいれんの予防には”ダイアップ”という坐薬を使います。万能ではありませんが正しく使えばかなりの効果が期待できます。今回はこの"ダイアップ"を中心とした熱性けいれんの予防についてお話します。

 ダイアップはジアゼパムというクスリの商品名で、ジアゼパムはもともとけいれんを止めるクスリとしてかなり古くから使われていました。内服薬と注射薬しかありませんでしたが、医療機関に到着した時点でけいれんが治まっていないケースではすぐにこのクスリが静脈注射されました。しかし、小さなお子さんがけいれんを起こしている最中に細い血管にキチンと針を入れるのはとても難しく、ダイアップが登場したときは「これでだいぶ楽になる」と思ったものです。

 このように当初治療薬として登場したダイアップが、しばらくすると熱性けいれんの予防に使われるようになりました。ジアゼパムには内服薬もありますが、内服だと効果が出るのに時間がかかり、急激な熱の上昇のときに間に合いません。しかし坐薬であれば効果は早く始まり、しかも注射と違って一般の方でも簡単に使うことができます。

 では、ダイアップが使われるようになる前の予防法はどんなものだったのでしょう。

 「熱性けいれんは熱があるときしか起きない。だったら熱を下げてしまえばよい。」というのが予防の基本でした。今から思えばずいぶん乱暴な理屈ですが、熱さまし(解熱剤)を使って熱を下げ、また熱が上がり始めたら再び熱さましを使う。という原始的な方法しかなかったのです。しかし、このような方法では、一旦下がった熱が再び急激に上昇したり、家族全員が寝てしまってから熱が上昇したりするとけいれんが起きるのをを止めることができませんでした。でも他に方法がなかったのです。

 ダイアップが予防の主流になってからは基本的な考え方は大きく変わりました。「熱があっても、また熱が急に上昇しても熱性けいれんを起こさせないぞ!」というのが基本です。ですからダイアップを使うときには原則として熱さまし(解熱剤)は使いません。

 また、ダイアップが主役ではあっても、チカチカする蛍光灯やテレビを避けるといった予防法も決して影が薄くなったわけではありません。

 こんなケースもあります。夜中にお子さんが急に熱を出し心配になった親御さんが自分の車にお子さんを乗せて夜間診療所に向かう途中でけいれんを起こしてしまうという例です。

 街路灯だけが灯っているような暗い夜道では、街路灯の真下を走るときは明るく、街路灯と街路灯の間では暗くなり、ちょうど光の点滅と同じ効果が生まれてしまいます。これがけいれんを引き起こしてしまうのです。夜間走行時夜車(セダン)にはお子さんの目にこの街路灯の明暗が入らないようにする注意も必要です。

 ずいぶんと長くなってしまいました。今回は熱性けいれん予防の一般論ということで、ダイアップの具体的な使い方はまた次回とさせていただきます。

 
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2017年06月17日

週間診療情報(6月19日から6月25日まで)

kanban600.jpgこども診療所の来週の診療日で特にお知らせしたい情報です


個々にお知らせした日以外は
いつもどおりの診療です


診療時間の変更や臨時休診などは毎週掲載しています
受診前に確認なさることをお勧めします
(1か月の予定は月初めにホームページに掲載しています)



6月20日(火)   午後の診療開始が遅れます
           保健所の健診業務のため
           午後3時30分からの診療となります


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2017年06月16日

インフルエンザ消滅?

mizueyubisashi.jpg 「江戸川区感染症定点観測」(区内31か所の定点指定医療機関での患者発生数報告)の5月29日から6月4日までの集計結果です。

 ついにインフルエンザの報告数が小児・成人ともにゼロになりました。でもこの数字は江戸川区内すべての医療機関からの報告を反映したものではありません。例年真夏になっても定点指定ではないどこかの医療機関でポツリポツリとインフルエンザは発生しています。インフルエンザは決して冬だけの病気ではないのです。

 おたふくかぜが7例増えて、この週の報告数が2桁になりました。区内の一部の小学校、保育園や幼稚園などでポツポツと報告が見られるようです。

 先週2桁の報告数で順位表入りをしてしまった水痘は、今週7例減って順位表から脱落しました。

 今週報告数が2桁増加した疾患はありませんでした。2桁の減少を見せたのは感染性胃腸炎(-56例)と溶連菌感染症(-26例)で、どちらもかなり大幅な減少です。

 この週2桁以上の報告数があったのは、水痘が1桁に後退し、おたふくかぜ手足口病が新たに2桁入りしたため、先週より1疾患多い6疾患でした。順位は次の通りです。

第1位《1》感染性胃腸炎 ↓↓(報告数129)
第2位《2》溶連菌感染症 ↓↓(報告数41)
第3位《3》プール熱(報告数20)
第4位《4》突発性発疹(報告数15)
第5位《0》手足口病(報告数13)
第6位《0》おたふくかぜ(報告数11)


 《 》内の数字は先週の順位、数字0はその週の報告数が1桁だった疾患です。(矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています/報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区全体の医療機関からの報告数ではありません)

 定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹風疹百日咳の3疾患とも報告数は今週もゼロでした。このブログの更新を再開してからですと16週連続となります。

 水痘は、先にお伝えした通りで、今週の報告数は先週より7例減って3例でした。予防接種の努力を続けて少しでも早く水痘を撲滅しましょう!


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2017年06月12日

熱性けいれん -シーズン3-

clinic.jpg 月曜日は医学講座の日。なぜなら人間のからだを表す言葉には「月」(ニクヅキ)のつく漢字が多いから。

 さて、けいれんが治まりました。熱性けいれんはほとんどの場合数分以内、多くは1分程度で治まります。今回は治まったあとどうするかをお話しします。

 まず、けいれんが治まったときにかかりつけの医療機関が診療時間内だったらその日のうちに受診して熱性けいれん以外のけいれんではなかったことを確認してもらいましょう。夜間や休日だったら翌日の受診でもよいでしょう。

 熱性けいれんかどうかは次のような諸点で判断しますが、絶対的な基準というよりは目安程度と考えて、医療機関での判断に任せたほうがよいでしょう。

 熱性けいれんとは?
1)けいれんが起こったとき(あるいは直後に)発熱があること
2)年齢が7歳未満であること
3)けいれんの持続時間が数分以内であること
4)24時間内に一度しか起きていないこと
5)けいれん後に意識障害や麻痺などを残していないこと
6)家族や親族に熱性けいれんを起こした人がいること


 けいれんが治まったあとのお子さんの様子は次の2通りがあります。1つはそのままケロッとして何事もなかったかのように行動する、もう1つは眠ってしまう、です。眠ってしまった場合には起こす必要はありませんが、昏睡でないことを確認するために時々手の甲や足の甲をつねって手足が反応するかを確かめましょう。

 ケロッとしている子も眠ってしまった子(目覚めてから)も次のことを確認しましょう。
1)呼びかけに対して今まで通りの反応があるかどうか
2)今までできていたのに、けいれん後できなくなった運動や行動はないか
3)今までに見たこともないような運動や行動はないか
4)今まで左右同じようにできていたことに左右差が出ていないか


 けいれん後すぐに受診するのであればこれらの確認は医療機関でしてもらえばいいと思いますが、翌日受診の場合などは家庭での確認が必要だと思います。そしてもしこれらの中で1つでも当てはまるようであれば、翌日まで待たずに夜間(休日)診療所や救急病院を受診したほうがよいでしょう。

 前回お話ししたように光の点滅はけいれんを起こしやすくします。けいれんが治まったあとでも古いチカチカする蛍光灯やテレビを見せることは避けましょう。

 食欲があればまず水分を飲ませて吐かないことを確認し、そのあとで好みの食べ物を少量ずつ与えるようにしましょう。

 基本的に熱性けいれんであれば「治まったあとは正常」というのが原則ですから、「なんかおかしい???」と感じたら色々考えるよりもすぐに医療機関を受診するほうが安心だと思います。

 さていよいよ次回はシリーズ最高傑作、ではなかった、シリーズのまとめ「熱性けいれんの予防」についてお話しいたします。



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2017年06月10日

週間診療情報(6月12日から6月18日まで)

kanban600.jpgこども診療所の来週の診療日で特にお知らせしたい情報です


個々にお知らせした日以外は
いつもどおりの診療です


診療時間の変更や臨時休診などは毎週掲載しています
受診前に確認なさることをお勧めします
(1か月の予定は月初めにホームページに掲載しています)



6月12日(月)   午後の診療開始が遅れます
           松江小(校医)の健診業務のため
           午後3時30分からの診療となります

6月13日(火)〜6月15日(木)   臨時休診です
           松江小学校林間学校付き添いのため臨時休診となります

6月17日(土)   午後の予防接種
           毎月原則として第3土曜日の午後
           予防接種だけを行っています
           一般診療は行いません
           時間は
           午後1時30分から午後3時までです
           前日までにご予約下さい


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2017年06月07日

6月11日(日)医師会休日診療所勤務です

mizueyubisashi.jpg 6月11日(日)、医師会休日急病診療所の小児科担当として院長が出勤いたします。

 午前9時から午後5時までは上記の診療所で診療しておりますので、お子様の急病の際などはご利用ください。

 その間院長の携帯電話による電話相談はお受けできませんのでご了承ください。

 江戸川区医師会夜間・休日急病診療所の
   住所は     江戸川区西瑞江5−1−6
   電話番号は   03−5667−7775    です。


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2017年06月06日

水痘の報告数2桁に!!!

mizueyubisashi.jpg 「江戸川区感染症定点観測」(区内31か所の定点指定医療機関での患者発生数報告)の5月22日から5月28日までの集計結果です。

 予防接種の定期化(2回接種)によって減少が期待される水痘(水ぼうそう)ですが、この週の報告数がついに2桁になってしまいました。このブログでは報告数が2桁になると順位表に登場してしまいます。定期接種の対象となっている疾患が順位表に登場するのは、少なくともこのブログが始まって以来です。

 水痘の予防接種が定期化されたのは平成26年10月1日です。3歳未満のお子さんが対象ですから、それ以降に3歳になったお子さんはまだ小学校に入学していません。現在小学生以上のお子さんは任意接種として予防接種を受けたわけですから接種率はあまり高くありません。しかも2回接種を受けたお子さんとなるとさらに接種率は低くなります。多分小学生以上のお子さんの感染が増えたのが原因ではないでしょうか?

 麻疹(はしか)風疹百日咳のように何か月も続けて報告数のゼロ行進が続くようになるには、あと数年はかかるのだと思われます。 

 さて、流行が終わったと申し上げたインフルエンザですが、まったく消えてしまったわけではありません。報告数は小児(5例)、成人(1例)で、成人の報告数が1例減っただけです。それでも感染に厳重注意という時期でないことだけは確かです。

 今週報告数が2桁の増減を見せた疾患は先週と逆で、感染性胃腸炎(+16例)が増加し、溶連菌感染症(-11例)が減少しました。溶連菌感染症は報告数3桁には届きませんでした。それでも溶連菌感染症としてはまだ大流行です。ご注意下さい。

 この週2桁以上の報告数があったのは、トップ記事でもお伝えしたように水痘が順位表に登場し、さらに突発性発疹が久々に2桁入りしたため、先週より2疾患多い5疾患でした。順位は次の通りです。

第1位《1》感染性胃腸炎 ↑↑(報告数185)
第2位《2》溶連菌感染症 ↓↓(報告数67)
第3位《3》プール熱(報告数17)
第4位《0》水痘(報告数10)
第4位《0》突発性発疹(報告数10)


 《 》内の数字は先週の順位、数字0はその週の報告数が1桁だった疾患です。(矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています/報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区全体の医療機関からの報告数ではありません)

 定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹風疹百日咳の3疾患とも報告数は今週もゼロでした。このブログの更新を再開してからですと15週連続となります。

 水痘は、トップ記事でお伝えした通りで、順位表に登場してしまいました。今週の報告数は先週より5例増えて10例でした。


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2017年06月05日

熱性けいれん −シーズン2−

clinic.jpg 月曜日は医学講座の日。なぜなら人間のからだを表す言葉には「月」(ニクヅキ)のつく漢字が多いから。

 先週は熱性けいれんが起こるメカニズムみたいなことをお話しました。今週は実際に熱性けいれんが起こるとどういう風になるか、そして、その時どのように対処すればよいかについてお話します。

 一般的にけいれんには3つのパターンがあります。がたがたふるえるタイプと全身を硬直させつっぱってしまうタイプと意識だけがなくなるタイプです。熱性けいれんでは前の2つがほとんどで、意識だけがなくなるパターンはごくまれです。また、前の2つのタイプでも、けいれんを起こしている間は意識はありません。さらに、これもけいれん全般に言えることですが、けいれんを起こす直前にうめき声や叫び声を出したりすることが時々あります。熱性けいれんでもあります。

 けいれんが起きているときの顔色は血の気が失せ、青白ないしは青紫色になります。唇の色も同様で青紫から赤紫色に変わります。目は閉じているか半開きで、視線の焦点が合わず、虚空を見つめているという感じになります。目をきょろきょろ動かすことは少なく、逆にどこだかわからない一点を凝視している感じに見えます。お子さんがどこか別の世界へ行ってしまったように感じるでしょう。

 けいれんの持続時間はほとんどの場合数分以内、1分未満のことが多いのですが、初めて経験した方にはとても長く感じられます。時間を見る余裕がないのも事実です。ときに5分、10分、それ以上止まらないこともあり、私は5分以上止まらなかったら救急車を呼ぶようお話しています。家庭の医学などでは「10分以上止まらなかったら救急車を呼びましょう」と書いてあるものが多いのですが、救急車が家の前で待っているわけでもなく、到着までの時間を考えれば5分で呼んでいいと思います。

 昔はけいれんによって舌を噛むといけないから割り箸にガーゼをくるんで歯の間に入れるよう指導されていましたが、けいれん中舌を噛むことはまずありません。それより無理やり歯をこじ開けて歯が折れてしまったり、折れた割り箸で口の中を傷つけたり、大人の方が指を噛まれたりのほうが多く、今では歯の間に何かを挟む必要はないといわれます。

 それより大切なことは、(1)古い蛍光灯やテレビなど光がチラチラするものは消して、薄暗い白熱灯の部屋に静かに寝かせること、(2)衣服はゆるめて必ず顔を横向きに寝かせること、(3)熱を測る余裕はないと思いますが、からだにさわって熱感があるかどうかだけは確認しておくことなどです。

 (1)は、光の点滅がけいれん(脳波の異常)を引き出すことはよく知られていて、脳波検査のときなどわざわざ光が点滅する電球を使って脳波異常が出るかどうかを調べるほどです。何年か前にテレビで「ピカチュー」を見ていた多くの子がけいれんを起こしたことはご記憶と思います。

 (2)は、万が一吐いたときに吐物が気管に入るのを防ぐためです。けいれん中は本来持っている反射運動も正常に働かないので、吐物が気管に入ってもむせて吐き出すことができません。吸引性肺炎や最悪窒息を防ぐためには、顔を横向きにして、吐いたものが外に流れ出るようにしておかなければなりません。

 (3)は、前回お話したように、熱性けいれんは熱が急激に上昇するときに起きやすく、けいれんの起こり始めにはそれほど高熱ではなく、けいれん中に急上昇することがありますので、けいれんが治まったあとの体温と比較するためで、絶対必要なわけではありません。

 「家庭の医学」などには「けいれんを起こしているときは声をかけたり、からだをゆすったりせず、静かに寝かせておきましょう」などと書いてありますが、初めてけいれんをご覧になった親御さんがそんなに冷静になれるはずもなく、「○○ちゃんどうしたのexclamation&questionと声をかけ、からだをゆするものです。これはやらないに越したことはありませんが、こうしてしまったからあとの経過がものすごく悪くなるわけではありません

 そうこうするうちにけいれんも治まって一安心。さてそれからどうするか?だいぶ長くなってしまいましたので次回にさせていただきます。
 


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2017年06月03日

週間診療情報(6月5日から6月11日まで)

kanban600.jpgこども診療所の来週の診療日で特にお知らせしたい情報です


個々にお知らせした日以外は
いつもどおりの診療です


診療時間の変更や臨時休診などは毎週掲載しています
受診前に確認なさることをお勧めします
(1か月の予定は月初めにホームページに掲載しています)



6月 6日(火)   午後の診療開始が遅れます
           保健所の健診業務のため
           午後3時30分からの診療となります

6月11日(日)   医師会休日診療所出勤
           午前9時から午後5時まで
            (こども診療所での診療ではありません)

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