
新型インフルエンザワクチンということが報道されたり、新型インフルエンザの最有力候補と思われているトリインフルエンザのウイルス構造がH5N1で、基本的にはA型インフルエンザに属することからの誤解と思われますが、ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザはまだ地球上に出現しておらず、したがって効果のあるワクチンも作ることはできないのです。
また、現在試験的に一部医療関係者に接種されている新型インフルエンザワクチンは、H5N1が新型インフルエンザになるであろうことを想定してH5N1に対して効果を発揮するように作られたもので、もし仮に別の構造のインフルエンザウイルスが新型インフルエンザとしてヒトからヒトへの感染を起こすようになった場合には、このワクチンの効果は全く期待できないものになってしまいます。
一部報道が「新型インフルエンザワクチン」という言葉で行われたため、誤解が広まってしまったものと思われます。正しくは「プレパンデミックワクチン」といいます。今までのワクチンとは製法が少し異なるためまだ量産体制はできていません。
繰り返しますが、現在一般的に使用されているインフルエンザワクチンは新型インフルエンザの予防には全く効果がありません。