
今回は、先週ご紹介した2冊の参考書のうち、先崎学八段著の講談社現代新書1757「最強の駒落ち」の八枚落ちの部分から、先週とは違った戦法をご紹介します。先週は棒銀戦法の定跡で、2筋の歩をのばし、棒銀の活躍で敵陣を突破し、飛車を成り込んで玉を追いつめるという手順をご紹介しましたが、今回は9筋の歩をのばし、香車を成り込ませてから飛車が9筋に展開するという9筋端攻め戦法(こういう名前はないかもしれません)をご紹介します。

今日ご紹介するのは「最強の駒落ち」の八枚落ちのページです。
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駒落ち将棋について書かれている本には常に「下手が正しく指せば必ず勝てる」と書いてあります。でも初心者が正しく指せるはずもなく、また上手だって定跡はずしの手を打ってきますから、「必ず勝てる」なんてあり得ません。先崎八段の本はその辺のところを踏まえて、なおかつ定跡を覚えるように書いてあるので、実戦的ではありますが、逆に複雑になってしまうという点もあります。私の経験からすると所司七段の定跡本より、先崎八段の本のほうが勉強になると思います。
さて、今日ご紹介した棋譜は47手目で終わっています。そして、「このあとは上手の玉をいかに詰ますかということになり、何局やっても詰ませられるようになれば八枚落ちは卒業である」という先崎八段のお言葉が載っています。
そこで、47手目の△2八と以下、どのように指せば勝ちに持っていけるかを、私(下手)と将棋ソフト最強の六段(上手)との対局でご紹介します。私はもちろん八枚落ちはとうの昔に卒業しているのですが、それでもちょっと間違えるとアッという間に不利になってしまいます。上手はそれだけ強いということですね。
では、三曲続けてメドレーでどうぞ!じゃなかった、三局続けてご覧ください。私の対局の部分、コメントは入っていません。駒の動かし方の参考にしてください。
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終わりのほうに歩を打って王手というのが2回ありましたが、玉に逃げ場がありますから「打ち歩詰め」の反則にはなりません。
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今回は下手が「自然な悪手」(先崎八段の言葉)を指したために、上手が理想の駒組を完成させる余裕を与えてしまいました。こうなるともともと弱い下手が勝つのは大変です。駒落ち将棋ではなるべくミスを少なくして上手に反撃の余裕を与えないことが重要です。そこで次回は今週と同じ先崎流9筋攻めを下手が正しく指したらどうなるかをご紹介します。お楽しみに!
ラベル:将棋
今日も楽しませてもらいました。
また遊びにきま〜す。
バ〜イ!
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