
下手が定跡を知っていてそれを正しく指したら上手に勝ち目はありません。そこで上手としてはわざと定跡はずれの手を指して下手を困らせるのです。この定跡はずしの意地悪を「紛れ」といいますが、下手は紛れを乗り越えなければ勝ちをおさめることはできません。そこで今回は、上手の意地悪とその対処法をご紹介します。
まずは上手の意地悪を二つ続けてご紹介します。出典は先崎八段の「最強の駒落ち」です。
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先崎八段の本には、上手がこのような意地悪をしたら、「その時は慌てずゆっくり、右側から攻めていけばよい」と書いてあります。「二つしかない金の一つが離れるのは上手にとって大打撃なのだ」そうです。
右側から攻めるといえば所司七段の「駒落ち定跡」で勉強した棒銀しか知りませんから、先に掲載したそれぞれの紛れに対して棒銀攻撃に切り替えた棋譜をご覧ください。対局は将棋ソフト(上手)対私(下手)ですので、最善の手順かどうかはわかりませんが参考にはなると思います。
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いかがでしたか?この程度の意地悪ならそれほど苦戦せずに勝てますね。でも、上手にはもっと凄い意地悪があるんです。次回は究極の意地悪ともいうべき手をご紹介します。お楽しみに!
ラベル:将棋