


ラリックの作品の特徴は室内装飾品からインテリアそのものまでもガラス工芸で制作しているという幅広い点にあります。そして、光の捉え方が実に天才的と言えます。むしろ光とともにあってこその彼の作品だと思います。



展示品の中で気に入った作品の絵はがき(上の写真)を買ってきました。左は亡き妻を偲んで作ったという香水瓶、中は「日本のリンゴの木」という名のスタンドですが、解説には「リンゴではなくボケだろう」と書いてありました。なるほど枝にはとげがついていました。右は泉の精メリトです。
美術館のゲートから建物に向かう途中にクラシックカー(サンダーバードとT型フォード)が展示されています。不思議に思っていたら、ラリック作のカーマスコットが取り付けられているんですね。サンダーバード(左)には後ろに反り返っている裸婦像、T型フォード(中)には考える人がついています。サンダーバードのピラーガラスにも装飾が施されていましたが、これはラリックの作かどうかわかりません(右)。



もう一つ、ラリック美術館にはこんな物も展示されていました。


な、なんと!オリエント急行の1等食堂車(サロンカー)です。

例によってへそ曲がりな私は、「観光地の客寄せ」のためにこんなことをしているんだろうと、愚かにも考えてしまったのですが、実はこのサロンのインテリアはすべてラリックの作品だったんだそうです。
右の写真に写っているまさにその席とおぼしきテーブルで、相棒と二人で厳かにお茶をいただいて参りました。もちろん車内は撮影禁止、「お静かに」という注意まであって、まさに厳かなティータイムで思わず相棒と二人で笑ってしまいました。
いずれにしても展示品の数は膨大で、今でも新しい作品を収集しているということです。ラリックが活躍したすべての分野の作品を見ることが出来るだろうと思います。