2010年09月10日

7分間の小澤征爾

skf4.jpg 昨日午後から松本へ行ったのは、サイトウ・キネン・フェスティバル松本で小澤征爾の指揮するブラームスの交響曲第1番を聴くためでした。「でした」と過去形を使っているのは、昨日の話をしているからでもありますが、それよりも何よりも、マスコミ報道でご存じの方も多いと思いますが、小澤征爾は腰痛のためにオペラと交響曲の指揮をキャンセルしてしまって、松本行き最大の目的を達成できなかったからです。(画像はすべてクリックで拡大します)

ozawa4.jpg 小澤のキャンセルが知らされた日から、「行こうか?行くまいか?」だいぶ迷いました。コンサートは木曜日の夜です。木曜日はこども診療所はもともと午後休診ですので、診療が終わってすぐにでかければ間に合います。でもその日のうちに帰ってくる交通手段がありませんので、一泊せざるをえず、翌朝早く松本を出ても金曜日の午前中はどうしても臨時休診にしなければなりません。

 小澤が聴けないのなら、松本行きをやめれば臨時休診で皆さんにご迷惑をかけずにすみます。でも、二人がかりで2台の電話と2台のパソコンを駆使してやっとの思いで入手したチケットの払い戻しはないのです。払い戻しがないのならたとえ代役でも今まで生で聴いたことのないブラームスを聴いてみる価値もあるかなとも思えます。

 迷いに迷ったあげく結局松本まで行ってきました。

ozawa1.jpg 会場入り口で渡された封筒には小澤からのお詫びのメッセージ(左画像/サイトにも掲載されている)が入っていました。そしてコンサートの冒頭に小澤が出てきて謝罪と、例の小児的楽天主義丸出しの笑顔で「来年はばっちり!」と約束しました。「またあの安請け合いが出てきたよ」と思いました。小澤と同じ食道癌の手術を受けるサザンの桑田佳祐に「絶対大丈夫!」とエールを送ったあの小児的楽天主義です。「来年はばっちり」だって、桑田への「絶対大丈夫」だって、絶対なんていう保証はないのです。

 それを含めて小澤征爾という人なのですから、そしてその人があの素晴らしい音楽を聴かせてくれるのですから、それはそれで受け容れていいと思っています。妙に悲愴になられたらこちらが逆に面食らってしまいます。だからこそ、たった7分間しか指揮をしない小澤に対して聴衆は惜しみない拍手を送ったんだと思います。「小澤征爾頑張れっ!」というメッセージをこめて・・・。

 そして、チャイコフスキーの弦楽セレナード・ハ長調の第一楽章だけ、約7分間を、小澤の指揮で聴いてきました。時々腰掛けての指揮でしたが、とてもとても美しい曲でした。でも、2年前初めて小澤の指揮を生で聴いたときほどの感動はありませんでした。あまりにも短かすぎて鈍感な私の感動を目覚めさせるには時間が足りなかったのかもしれません。

ozawa5.jpg 指揮をする小澤の後ろ姿を見ていて、小澤の腰痛はあの指揮姿勢に原因があるなと思いました。中腰で身を乗り出して演奏者から音を引き出すあの姿勢(右の写真は昨日のものではありません)は、若いうちはいいかもしれませんが歳をとって脊椎変形症が起こってくるとますます腰に負担をかけます。そのうち神経を圧迫して歩けなくなってしまいます。今の小澤がまさにそれだと思います。

 とすると「来年はばっちり」は本人は実現するつもりでいても結局は約束を守れなかったということになるだろうというのが私の見解です。ホントはそれが外れてほしいとは願っているのですが・・・。

 小澤の代役、下野竜也の指揮による演奏の模様はまた明日・・・。


 


posted by YABOO!JAPAN at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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