2010年12月01日

アルゲリッチのソロ演奏

 日曜日、銀座で早めの夕飯を済ませて向かった先は錦糸町のすみだトリフォニーホールです。お目当てはマルタ・アルゲリッチのピアノ演奏会。下の写真は当日のステージの配置です。

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 アルゲリッチはソロ演奏を行わないことで有名なピアニストだそうで、当日のプログラムもショパンとラベルのピアノコンチェルトでした。

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 プログラムに掲載された写真はこんな顔で、よほど怖いおばさんが出てくるのかなと思ってしまいました。プログラムの中には笑った写真もありましたが、どう見ても20年前の写真じゃないの?という奴でした。

arg4.jpg でも、トリフォニーホールのパンフレットに、小さな写真ですがこんな笑顔も見つけました。

 ステージに登場したときの彼女はこちらの顔でした。なんかすごくほっとしました。でも、演奏中はきっと上の写真みたいな顔をしてるんでしょうね。

arg5.jpg オーケストラは、トリフォニーホールと言えば新日本フィル、指揮は、クリスティアン・アルミンクでした。

 2チャンネルでは「アルミくん」と呼ばれて人気があるそうです。そういえば、「のだめカンタービレ」に千秋のライバルとして登場するジャンに似ていなくもないなと思いました。

 さて肝腎の演奏ですが、ショパンの第1楽章は「この曲のどこがピアノコンチェルトなんだよ!」と言いたくなるぐらいオケの演奏が続いて、なかなかピアノソロの部分が出てきません。それで、延々と管弦楽を聴かされるわけですが、これがねぇ・・・。

 サイトウキネンオーケストラの弦の音を聴いた耳には耐えられないものでした。延々と聴いていたアルゲリッチもうんざりしたのではないかと思います。私は「本物のいい音を聴いていると私みたいな者の耳でもちゃんと肥えてくるんだなぁ」と感心していました。

 でも少しずつ音がよくなってきたところでアルゲリッチのソロが入りました。しばらくはただ何も考えずに聴き入っていましたが、そのうち好奇心が目覚めて色々と観察を始めました。

 まずタッチがすごく正確でした。でもとんがった正確さではなく、とてもなめらかな正確さでした。音そのものもとても優しいきれいな音でした。そして何よりも驚いたのは彼女が体幹をほとんど動かさずに演奏することです。最近のピアニスト、だけでなくYou tubeに登場するこどもの素人ピアニストですら、体を揺するようにして情感を込めて音楽を演奏するのに比べて、なんと静的な演奏でしょう。動かないからといって表現が扁平になるわけではありません。(私も次の発表会のときは体を動かさずに演奏しようと密かに誓ったのでした)

 その彼女が第2楽章の最後の音を弾いたあと、指を鍵盤からずっと離さずに耳を鍵盤のそばにそっと近づけ、自然に音が消えるまで(多分)、じっと見送っていた(聴き送っていたかな?)、その動きがとても印象的でした。

 ラベルのほうもとても美しい演奏が続きましたが、私は音楽のことは詳しくないので、アンコール演奏のことに移ります。

 アンコール演奏はどうするのか興味津々でした。ソロ演奏はしないということだし、後ろにはオーケストラが控えているし、別のピアノコンチェルトというわけにもいかないだろうしなどと考えながら・・・。

 アンコールは今弾いたばかりのラベルのピアノコンチェルトの第3楽章の再演でした。プログラム曲の再演をアンコールで演奏するのは初めての経験だったので、「こんなの有りなの?」と相棒に訊いたら、「結構あるよ」とのことでした。

 これで終わりかと思ったらそうではありませんでした。な、なんと!アルゲリッチがソロ演奏を始めたのです。短い曲でしたが、やはり体を動かさずに、しかしなんか楽しそうに弾いているように見えました。

 演奏が終わったあと、私たちの後ろの座席の人はかなりの音楽通らしく「アルゲリッチのソロなんて死ぬまで聴けないと思ってた」と興奮気味に話していました。

 この2曲目のアンコールは打ち合わせにはなかったらしく、会場を出るとき相棒が係の人に「アンコール曲の曲名を教えてください」と頼んだら、「今ステージから連絡が来るのを待っているところです。わかり次第ホームページに掲載します。」とのことでした。

 そしてその曲名は・・・?
ショパンのマズルカ15番だったそうです。

 なんかすごく得したような気分の演奏会でした。




posted by YABOO!JAPAN at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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