そして6月は?
今度はバレエです。といっても昨日の土曜日1回だけですが・・・。
私はバレエもけっこう好きです。日本では「バレエなんか観に行くのは女こどもだけ」みたいな風潮がまだまだ根強いですが、オペラとはまた違った華やかさがあって、なかなかいいもんですよ。
といっても、オペラ同様初心者で、昨日観に行った「シュツットガルトバレエ団」の名前は初めて聞きました。実際にステージを観たバレエも数少なく、チャイコフスキーの三大バレーは一応観ましたが、あとは「コッペリア」・「海賊」・「ドン・キホーテ」・「ジゼル」ぐらいなもので、まだまだバレエファンとは言えない状況です。
昨日の演目は「じゃじゃ馬馴らし」で、あの有名なシェークスピアの「じゃじゃ馬馴らし」が原作です。シュツットガルトバレエ団を初めて知ったのと同様、バレエにも「じゃじゃ馬馴らし」があることも初めて知りました。音楽はスカルラッティ。作曲者の名前だけはかろうじて知っていました。
初めて知ったバレエ団の初めて知ったバレエを観る必然性は全くないのですが、なぜ観に行こうという気になったかと言いますと、シェークスピアの「じゃじゃ馬馴らし」は有名だなんて言いましたが、私はそのストーリーを知らなかったのです。バレエを観てついでにシェークスピアの戯曲の筋書きまで知ってしまおうというセコイ考えからです。
会場は上野の東京文化会館。これで4週連続の上野通いです。
さて肝腎のバレエのほうですが、プロモーションビデオはこちらです。
プロモーションビデオをご覧になればすぐに気づくと思いますが、まず音楽にも原作がありました。スカルラッティの原曲のモチーフを活かして現代風にアレンジされていました。まるでガーシュインの曲みたいに聞こえる部分も多々ありました。

そして振り付けがすごかったです。プリマ(ヒロイン・じゃじゃ馬のキャタリーナ)がガニ股でズカズカと歩いて登場します。バレリーナ特有の弾むような歩き方ではありません。そしてまわりじゅう当たり散らし、妹の求婚者たちに殴る・蹴る・足を踏むの暴行を加えます。そしてこのプリマが絡むペアのダンスはまるでアクロバットです。

バレエの基本は踏まえながら、ダンサーたちの動作は舞台の上でどのような情景が進行しているのかわかるようになっていて、親切な演出だと思いました。

そして、じゃじゃ馬キャタリーナが調教(?)されて貞淑な妻になると、今度はとても優雅な振り付けになります。アクロバットみたいなパ・ドゥ・ドゥウを観たあとだけに、優雅な振り付けのパ・ドゥ・ドゥウはいっそう優雅に見えました。
そして音楽もスカルラッティの原曲に戻ったのか、バロック風になります。オケピットにはピアノとチェンバロが入っていて、変わった編成のオーケストラでした。そしてオケピットの中はとても窮屈そうでした。
プロモーションビデオでいうような「抱腹絶倒」ではありませんでしたが、ユーモアあふれる笑えるバレエでした。