2012年09月12日

不活化ポリオワクチンの接種(1)

曜日は「予防接種講座の日」。なぜなら予防接種に使うワクチンは液体()だから・・・。

9月1日から待望の(?)不活化ポリオワクチンによる定期接種が始まりました。以前にお知らせしたように、こども診療所では9月15日予約開始、10月1日接種開始の予定で準備を進めています。

接種開始前に、不活化ポリオワクチンの接種について、こども診療所の考え方も含めてシリーズで交通整理をしておきたいと思います。

第1回の今日は、ごく標準的な接種についてですが、その前に経口生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンに移行することでどのような違いが出てくるのかを整理してみましょう。


《主な変更点》

       不活化ポリオワクチン  経口生ポリオワクチン

接種法     皮下注射        経口(飲む)

接種回数    4回(3回+追加1回) 2回

接種の時期   生後3ケ月〜7歳6ケ月    生後3ケ月〜7歳6ケ月
        通年          年2回(春と秋)

接種の場所   個別接種(各医療機関) 集団接種(接種会場)

接種費用    無料          無料(9月1日以降有料)

つまり、無料で1年中いつでも最寄りの医療機関で注射による接種を受けられるようになった、ただし、回数は今までの2回から4回に増えた、ということですね。


《標準的な接種法》

というところで不活化ポリオワクチンの標準的な接種法をご説明いたします。人それぞれに接種歴や親御さんの思惑がおありでしょうが、今回は本当に標準的な接種法についてのみ説明します。様々なケースについては次回以降の説明となります。

基本的にはDPT三種混合ワクチンと同じです。生後3か月以降に1期(初回免疫)として3回接種。初回免疫終了後一定の期間をおいて1期の追加免疫。計4回の接種となります。

ところが実際にはすでに経口生ポリオワクチンを1回だけ飲んだ(接種した)お子さんや、輸入不活化ポリオワクチンを任意で接種したお子さんがいらっしゃいます。そういうお子さんはどうなるのかというお話しも必要です。


《以前の接種歴と今後の接種》

まず、経口生ポリオワクチンを1回接種したお子さんはそれを不活化ポリオワクチン初回免疫の1回目とみなす、つまり、初回免疫の残り2回と追加免疫の1回、計3回を不活化ポリオワクチンで接種することになります。

すでに経口生ポリオワクチンを2回接種したお子さんはそれで接種完了となり、不活化ポリオワクチンの接種は行いません。

輸入不活化ポリオワクチンの接種を受けたお子さんの場合は、輸入不活化ポリオワクチンの接種回数に応じて、合計で4回接種になるように残りの回数を決め、定期接種(無料)として不活化ポリオワクチンの接種を行うことになります。輸入不活化ポリオワクチンの接種も定期接種としてカウントするということですが、医療機関に支払った接種料金の払い戻しはありません。


《接種間隔について》

定期接種ですから接種間隔についても規定があります。基本的な接種間隔は次の通りです。

初回免疫:3〜8週間の間隔で3回接種
追加免疫:初回免疫終了後6か月以上の間隔をおいて1回接種


ただし、不活化ポリオワクチン導入後約3年間は、混乱を避ける意味で規定の接種間隔から外れてもよいことになっています。

ですからすでに経口生ポリオワクチン輸入不活化ポリオワクチンの接種を受けているお子さんでも、間隔を気にせず残りの接種を受ければよいということになります。

実際には、ポリオワクチンは生であれ不活化であれ、接種間隔の上限はありません。ただ、初回免疫の間隔をあまりにも長くあけてしまうと接種を忘れてしまうおそれもありますから、それなりに・・・ということでしょう。


《接種票が足りないexclamation&question

すでに接種票を受け取られた方から「ウチの子はあと3回接種なのに接種票が2枚しか送られてきませんでした」というご質問を受けることがあります。同じ年齢のお子さんでも過去の接種歴によって接種票の枚数が違うのは当然ですが、接種票が足りない理由はもう一つあります。

9月1日から定期接種の公式ワクチンとして認められたのは、初回免疫用に使用する不活化ポリオワクチンだけなので、1期の追加免疫に使用する定期接種ワクチンとしてはまだ承認が得られていないということなのです。

「え〜っ!!それじゃ追加免疫に使うのはまた別のワクチンなの?」と思われるかもしれませんがそうではありません。追加免疫にも同じワクチンを使うのですが、このワクチンが承認されてからの期間が短いために、追加免疫用ワクチンとして安全かつ確実に免疫を獲得することができるかどうかのエビデンス(証拠)がまだ不十分なのです。そのために追加免疫用としてはまだ承認されていない、承認されていないから接種票も送られない、ということなのです。

いずれ近いうちに承認されることはわかっているのですが、手続き上の問題とお考えください。

また、送られる接種票の枚数は、江戸川区で経口生ポリオワクチンの集団接種を受けたかどうか、また受けたとしたら何回受けたか、区のほうで把握できている情報で決められています。ですから、任意で輸入不活化ポリオワクチンを接種したお子さんや江戸川区以外で経口生ポリオワクチンの集団接種を受けてから江戸川区に転入したお子さんの場合、「未接種」として初回免疫分の3枚の接種票が送られているはずです。

ですから、これらに該当するお子さんの場合、接種を受ける医療機関で過去の接種歴をきちんと確認してもらって正しい回数の接種を受けるようにしてください。


今回は不活化ポリオワクチンの標準的な接種についてお話ししました。ここでいう不活化ポリオワクチンというのは「単独不活化ポリオワクチン」のことです。11月1日導入予定の「DPT三種混合+不活化ポリオワクチン」の4価ワクチンではありません。4価ワクチンを含めた接種法についてはこのシリーズで順次採り上げて参ります。





posted by YABOO!JAPAN at 10:00| Comment(1) | TrackBack(0) | こども診療所予防接種講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
待ってました!次回も楽しみです。うちは現在二歳すでに生ワクチン一回すみで、この秋急いで受けないとと思っていましたが、ゆっくり講座を読んでからにします☆
Posted by なな at 2012年09月13日 17:35
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