2012年09月08日

インフルエンザワクチン(2012-2013シーズン)

kanban600.jpgまだまだ暑い日が続きインフルエンザなんて言われてもピンとくるような天気ではありませんが、予防接種はインフルエンザの流行期前に始めなければなりません。

そこでまず、2012-2013のインフルエンザシーズンに国内で使用されるインフルエンザワクチンの情報をお届けします。


《インフルエンザワクチンの組み合わせ》

ワクチンの組成は例年通りAソ連型とA香港型、それにB型を加えた3種混合ワクチンです。ワクチン製造のもととなるウイルスは次の通りです。ワクチンのもとになるので「株(かぶ)」と呼びます。

【 A型株 】  
A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09
A/ビクトリア/361/2011(H3N2)
【 B型株 】  
B/ウィスコンシン/01/2010

A型のうちH1N1の株は2009年に大流行した新型インフルエンザウイルスで、昨年と同じウイルスが使用されていますが、H3N2とB型は昨年とは違う時期に採取されたウイルスを使用しています。地名はそのウイルスが採取された土地名です。


《ワクチン接種の実際》

インフルエンザワクチンの接種量は昨年からWHOの推奨接種量に増量されましたが、今年も昨年と同じ量で接種が行われます。接種料金は昨年と同じで、1回目が3600円、2回目が2550円です。(ともに消費税込み)

生後6か月以上3歳未満は0.25mLを2〜4週間隔で2回接種
3歳以上12歳未満は0.5mLを2〜4週間隔で2回接種
13歳以上のすべての年齢0.5mLを1回または2回接種
(2回接種は希望者のみで2回接種の場合間隔は1〜4週)


こども診療所では、
10月 1日予約開始
10月15日接種開始(年内一杯で終了)

の予定で準備を進めています。


《インフルエンザワクチンとチメロサール》

例年より2週間ほど遅い接種開始ですが、それにはわけがあります。一つは9月1日から始まったばかりの不活化ポリオワクチン接種による混乱を避けるため、もう一つはワクチンの保存剤であるチメロサールの問題です。

インフルエンザワクチンと保存剤(チメロサールフェノキシエタノール)に関しては、2008年10月の4日、6日、8日、10日、11日、15日の6回にわたって、ヤブログ予防接種講座のカテゴリーでとても詳しく説明してありますので是非ご一読ください。

2008年の記事をかいつまんで結論だけお話ししますと、WHOの専門員会は「チメロサールの有害性はワクチンに含まれる程度の量であれば問題にならないが、技術的に除去することが可能であれば除去する方向に努力すべきである」と結論づけたのです。

それを受けてこども診療所では、2009年秋のシーズンからチメロサールではなくフェノキシエタノールという薬剤の入ったインフルエンザワクチンを使用してきました。

当時はチメロサールばかりが悪者扱いでしたから、フェノキシエタノールチメロサールに替わる正義のヒーローみたいに思われていました。でも、ヤブログでは、フェノキシエタノールの法的位置づけから「安全性は100%信用しないほうがいいんじゃないの」と警告もしています。

そして、2009-2010、2010-2011のシーズンは何事もなく過ぎていきましたが、昨2011-2012シーズンに、フェノキシエタノール入りのインフルエンザワクチンを接種したあとでアナフィラキシーショックという強いアレルギー反応を起こしたお子さんがかなりの数出現したのです。幸いこども診療所ではこのようなお子さんは一人もいらっしゃいませんでした。

このアナフィラキシーショックは、チメロサール入りのインフルエンザワクチンを接種したお子さんではほとんど報告されていません。

それでこのワクチンを製造しているメーカーが、フェノキシエタノールの使用をやめてチメロサールを使用することに方針転換してしまったのです。

そんなわけで今シーズンのインフルエンザワクチンをどうしようかということで時間をとられている、というのが接種開始が遅れる最大の理由です。

結論はまだ出ていませんが、あまり遅く始めては流行期に間に合わなくなるおそれもありますので、一応10月1日から予約を始めようというところです。

この続きは近いうちに結論とともに記事を掲載する予定です。





posted by YABOO!JAPAN at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所だより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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