2013年08月12日

手足口病の診断時期

dav.jpg曜日は医学講座の日。なぜなら人間のからだを示す漢字には(肉づき)のつくものが多いから。

脳・肺・肝・腎・腕・脚・腰・腹・骨・・・・・。
あなたはいくつ書けますか?




さて、しつこいようですが今日もまた手足口病についてのお話です。

先週は水ぼうそうと見分けのつきにくい変わり種手足口病のお話でしたが、今週は変わり種かなと思ったけど実際はそうでもないんじゃないかというお話です。

インターネットで手足口病の情報を見ますとたいてい次のように書いてあります。

「まず発熱が見られます。熱は出ないこともありますし、微熱のことも高熱のこともあります。この頃からのどの痛みを訴えます。熱が下がると手のひらや足の裏に赤い発疹が出てきます。口の中にも口内炎ができてとても痛がります。」

確かに普通はこのような経過をとります。

ところが今年は、「熱があるようなないような状態なのだけれどのどを痛がって食欲がないんです。」という訴えで来院される方が多いのです。去年だったら、聴診器をあててのどの奥を見てもたいした変化は見られないので、「ま、軽い風邪でしょう。のどの炎症をしずめるおクスリを出しますから、それを飲んで様子を見て下さい。」でお帰りいただくところですが、今年は手足口病の大流行というアタマがありますから、「ちょっと手を見せてね」と続きます。

そうすると、あるんですねぇ、赤い小さな斑点が・・・。

そうするともうそこで「手足口病」の診断がついてしまいます。でもこの時期にはまだ明らかな口内炎は見られません。

去年までだったら、「軽い風邪」の診断でおクスリを飲んでいるうちに、普通の経過で熱が下がった頃に発疹を見つけた親御さんがお子さんをお連れになりますから、「あ、手足口病だったんだね。でももう熱も下がったし、このまま放っておいても自然に治っちゃいますからね。それにもう人にもうつしませんからお休みしなくていいですよ。」でした。

ところが今年は、「手足口病ですね。でも熱もたいしたことないし、このまま放っておいても自然に治っちゃいますよ。完全に平熱になったらもう人にもうつしませんから登園(登校)していいですよ。」となります。するとその晩高熱が出たといって翌日来院される方がけっこうおられるのです。

診察をしても前日とそう変わったところも見つかりません。「手足口病には間違いないんで、この熱も1日か2日で下がると思いますから、このまま様子を見て下さい。」とはお話ししますが、コクサッキーA6のこともあるしまた別のウイルスの仕業かも???などと疑心暗鬼になってしまいます。

でもあるときふと気がつきました。「診断の時期が早すぎただけなんじゃないか!?!」と。

「高熱になるタイプの手足口病を熱が出る前に診断してしまうと、診断がついてから高熱になる、つまりインターネットの情報や我々小児科医が今まで経験していたごく普通の手足口病とは異なった経過になってしまう」ということなんですね。

初日に手や足を見なければ、発熱→発疹→受診→診断という今まで通りの経過になるわけです。そして、治癒証明書をとりにいらっしゃる頃には立派な口内炎もできているというわけです。

手足口病の診断がついてから高熱になり「おかしいな?」と思われていた方、実はそういう理由だったとお考え下さい。

っていうことはぁ、去年までは手足口病を見逃してたっていうわけ?

ギョッがく〜(落胆した顔) いやそれはそのぉ、なんというかぁ・・・・・・・。

今週は医学講座ならぬヤブ医者の独り言でした。






posted by YABOO!JAPAN at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所医学講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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