2014年09月08日

水ぼうそうのおさらい(1)

dav.jpg 曜日は医学講座の日。
 なぜなら人間のからだを示す漢字には
 (肉づき)のつくものが多いから。

 脳・肺・肝・腎・腕・脚・腰・腹・骨・・・・・。
 あなたはいくつ書けますか?


水痘ワクチンの定期接種化が決まったところで、わりとポピュラーな感染症である水痘(水ぼうそう)について復習してみようと思います。

    《水ぼうそうってどんな病気?》

水ぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスで起きる発疹の出る感染症です。飛沫感染、空気感染、接触感染で広がります。くしゃみなどで飛び出したウイルスが直接他の人に侵入するのが飛沫感染、くしゃみなどで飛び出したウイルスが空気中で水分が蒸発して乾燥しても感染力を維持していて他の人に侵入するのが空気感染、水ぼうそうの発疹(水疱)の中にいるウイルスが水疱が破れて外に出て他の人に侵入するのが接触感染ですが、感染経路がたくさんあるというだけでなく、乾燥してもなお生きているというとても感染力の強いウイルスです。

潜伏期間は約2週間ですが、かなりきっちり2週間で発病します。兄弟姉妹で感染した経験をお持ちの方はよくご存じと思います。

発疹の出現する1〜2日前から発熱を見るケースが約70%あります。まったく発熱しないこともありますが、他の人への感染はこの頃から始まっています。

発疹は皮膚の表面の赤い斑点から始まり、次第に水ぶくれになり、その後膿を持ったようになります。かゆみが強くなることが多いです。最終的にはかさぶたになって終わります。治療をしなければ発疹の数は平均で250〜300個といわれています。そしてかさぶたになるまで1週間から10日かかります。

下の写真は左から順番に水ぼうそうの経過を示しています。(同じ患者さんではありません)

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       (写真はすべてクリックで拡大されます)

園や学校はお休みしなければいけない病気ですが、すべての発疹がかさぶたになった時点(下の写真左)で登園・登校できます。かさぶたが取れるまで待つ必要はありません。

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       (写真はすべてクリックで拡大されます)

発疹は皮膚だけでなく粘膜の部分や頭髪の中にもできます。上の真ん中の写真は口の中の水疱(水ぶくれ)です。まぶたやおちんちんにできることもあります。

手のひら(上の写真右)や足の裏にできることもありますが、これらの部分は皮膚の表面(角質)がとても厚いので、なかなかかさぶたになりません。全体的にかさぶたができていれば、これらの部分はお休みの対象になりません。

集団生活の場で感染することが多いのですが、家族内で感染すると家庭では家族同士がとても近い距離で生活していますので、侵入するウイルスの量が増え、あとから発病した人のほうが発疹の数が多くなる傾向があります。

    《水ぼうそうの重症度》

一般的な水ぼうそうの概略をお話ししましたが、次に水ぼうそうの重症度についてお話しします。

水ぼうそうの概略の中で「治療をしなければ発疹の数は平均で250〜300個」と書きました。水ぼうそうの重症度を表す一つの指標は「発疹の数」です。

発疹の数が50個以下であれば「軽症」に分類されます。発疹の数が500個以上を「重症」と分類します。その間が「中等症」です。これらの分類は水ぼうそうそのものの重症度と考えてよいでしょう。

一方水ぼうそうは様々な合併症を起こしやすいことで知られています。主なものは肺炎・気管支炎、脱水症、熱性けいれん、脳炎・脳症、髄膜炎、小脳失調などです。これらの合併症で入院が必要になると「重症化」したとされます。

水ぼうそうにかかった患者さん(小児も成人も含めて)のうち、400人に1人以上が重症水痘として入院を余儀なくされています。ただし、入院した患者さんのうち小児の割合は37.5%で、成人の入院の方が多いです。

小児では発疹数での重症例より合併症での重症化のほうが多いのが特徴です。成人では水ぼうそうそのもの(発疹数)が重症になる傾向があります。

水ぼうそうはわりとポピュラーな感染症ではありますが、決してあなどれない病気だと考えてください。

「水ぼうそうのおさらい」第1回の今日は水ぼうそうという病気の全体像を見ていただきました。来週は水ぼうそうの診断と治療、予防などについて触れてみたいと思います。どうぞお楽しみに。


posted by YABOO!JAPAN at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所医学講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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