2016年08月21日

感染症の夏休み効果?

mizueyubisashi.jpg 「江戸川区感染症定点観測」(区内31か所の定点指定医療機関での患者発生数報告)の8月1日から8月7日までの集計結果です。速報とはいえませんが、流行の流れはお伝えできると思います。

 今週は今日で2回目の記事掲載になります。15日に掲載したのは本来先週届くはずだった集計です。今週分は昨日届きました。今日掲載するのは月曜日の続きとお考え下さい。

 この記事のタイトルである「感染症の夏休み効果」については今までにも何回かご説明しました。感染症というのはヒトからヒトにうつる病気です。ですから、うつすヒトがいなかったら、あるいはうつされるヒトがいなかったら、流行になることはありません。

 また、小児の感染症はほとんどが保育園や幼稚園や学校といったいわゆる集団(保育)の場で起こります。そこには、うつすヒトもうつされるヒトも大勢います。でも、夏休みなどのような長いお休みに入ったら、うつすヒトもうつされるヒトも出会う機会がなくなってしまいます。ですから夏休みには感染症がとても少なくなります。でも保育園は幼稚園や学校ほど夏休みが長くありませんからこの効果はそれほど顕著ではありません。

 夏休み効果は休みに入ってすぐには現れてきません。それは感染症にはすべて潜伏期間というのがあるからです。例えば水痘(水ぼうそう)なんかは約2週間の潜伏期間がありますから、1学期の最後の日に誰かにうつされると発病は2週間後、夏休み真っただ中ということになります。それを過ぎた頃からが本当の「夏休み効果」になります。8月上旬はちょうどその頃にあたります。

 夏休み効果と思われるのはヘルパンギーナ感染性胃腸炎溶連菌感染症、です。3疾患とも-40例、-30例、-21例と大幅に減少しています。登録されている感染症の中で減少を見せたのは、他には水痘流行り目だけで、それ以外の疾患はごくわずかながら増加しています。ここからも上記3疾患に夏休み効果が出ていると考えるのは妥当だと思われます。
 
 また、夏休み効果はその時の流行が大きいほど顕著に現れます。上記の3疾患はこのところ常に報告数順位表の上位を占めている流行の大きな疾患でした。そしてこの週2桁の動き(すべて減少)を見せたのは、やはり上記3疾患でした。

 今週報告数が2桁以上だった疾患は先週と同じ顔ぶれの5疾患でした。順位は次の通りです。先週同数4位だった下位2疾患の報告数に差がつきました。

第1位《1》ヘルパンギーナ ↓↓(報告数122)
第2位《2》感染性胃腸炎 ↓↓(報告数86)
第3位《3》溶連菌感染症 ↓↓(報告数16)
第4位《4》手足口病(報告数14)
第5位《4》プール熱(報告数12)

 《 》内の数字は先週の順位、数字0はその週の報告数が1桁だった疾患です。(矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています/報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区全体の医療機関からの報告数ではありません)

 定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹風疹百日咳すべての報告数が3週連続でゼロとなりました。

 定期予防接種の対象になった水痘は、本来こちらに移動するべきですが、まだまだ発生数が多いので、当分は順位をお知らせする疾患として扱います。ちなみにこの週の報告数は前の週より2例減って1例でした。小学生など予防接種が定期化されたときすでに対象年齢を超えていた比較的年齢の高いお子さんがかかっているようです。


posted by YABOO!JAPAN at 15:43| Comment(0) | TrackBack(0) | こんな病気がはやってます | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック