
感染症各疾患の報告数は今週やや増加しました。全体の報告数で約70例増えましたが、その増加数は感染性胃腸炎と溶連菌感染症の増加を足した数とほぼ同じでした。この2疾患が急増しています。プール熱も2桁の増加を見せています。
インフルエンザは、今週も報告が出ています。成人のA型が葛西地区と鹿骨・東部地区でそれぞれ1例ずつ報告されています。
先週春江地区の小学校で、今シーズン初の学級閉鎖が出ました。その小学校にインフルエンザを持ち込んだ生徒さんが感染を受けたのは東京ディズニーシーであることが強く疑われており、しかもB型であったことから、江戸川区内で発生したインフルエンザの集団発生とは考えにくいと思います。夏から続いているインフルエンザの報告でB型はまだ1例しか報告されていません。従ってまだ江戸川区内での流行は始まっていないと言えそうですが不気味な動きです。ご注意下さい。
はやり目の報告数は先週より1例増えて7例が報告されています。
RSウイルス感染症も報告数は1桁台ながら微増となっています。
それでは報告数の多い疾患についてご報告いたします。
感染性胃腸炎と溶連菌感染症の急増により報告数ランキング上位陣に順位の変動が出ています。手足口病が大幅に減少し、溶連菌感染症と順位が入れ替わりました。
手足口病以外の三大夏風邪では、ヘルパンギーナはほぼ横ばいで1桁のまま、プール熱は増加して報告数はまた2桁台となりました。
今週報告数が2桁増加した疾患は感染性胃腸炎(+41例)と溶連菌感染症(+32例)とプール熱(+10例)の3疾患、2桁減少した疾患は手足口病(-24例)の1疾患でした。
この週2桁以上の報告数があったのは、プール熱が2桁台に復帰して先週より1疾患少多い4疾患でした。
順位は次の通りです。感染性胃腸炎の報告数は3桁の大台に乗りました。
第1位《1》感染性胃腸炎 ↑↑(報告数131)
第2位《3》溶連菌感染症 ↑↑(報告数59)
第3位《2》手足口病 ↓↓(報告数23)
第4位《0》プール熱 ↑(報告数16)
《 》内の数字は先週の順位で、数字ゼロ(0)は先週の報告数が1桁だった疾患です。
赤い矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています(↑は増加、↓は減少、→は不変です)。
報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区全体の医療機関からの報告数ではありません。
定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹と風疹と百日咳の3疾患すべてが報告数ゼロでした。17週連続になります。
同じ定期接種の対象疾患でありながら水痘の報告数は5例増えて報告数7となってしまいました。