
小児インフルエンザの報告数は28例となり、大幅に増加しました。本格的な流行期に突入したと思われます。A型とB型の比率は、A型5例・B型23例で、相変わらずB型の比率が高いのですが、B型23例のうち20例は中央地区での発生です。江戸川区全体としてはA型もB型も同じように発生しているのではないでしょうか。成人インフルエンザはA型2例・B型5例の7例が報告されていて、先週よりB型が1例増えましたが、ほとんど横ばいといっていいでしょう。
感染性胃腸炎も大幅に増加しました。これから冬の流行期に向けて、インフルエンザ同様、うがい・手洗いによる予防が大切です。
秋口の流行から一時報告数の減少を見せていたRSウイルス感染症も今週大幅な増加を見せています。これから本格的な流行期に向かいますので、1歳未満の小さいお子さんでは厳重な警戒が必要です。発熱とゼイゼイいう咳き込みが出たらなるべく早く小児科を受診しましょう。
はやり目は今週も2桁の報告数でした。この時期にはやり目の報告数が2桁になるのは季節外れともいえます。
季節外れといえば、三大夏風邪(手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱)はヘルパンギーナが1桁台に後退しましたが、他の2疾患は相変わらず2桁の報告数を維持しています。
今週報告数が2桁増加した疾患は感染性胃腸炎(+37例)、RSウイルス感染症(+14例)、小児インフルエンザ(+11例)の3疾患、2桁減少した疾患は溶連菌感染症(-10例)1疾患でした。
この週2桁以上の報告数があったのは、RSウイルス感染症が2桁台に登場しましたが、ヘルパンギーナの報告数が1桁台に後退したため、先週と同じ7疾患でした。
順位は次の通りです。小児インフルエンザが上位に進出してきました。
第1位《1》感染性胃腸炎 ↑↑(報告数167)
第2位《2》溶連菌感染症 ↓↓(報告数60)
第3位《4》小児インフルエンザ ↑↑(報告数28)
第4位《3》手足口病 ↑(報告数25)
第5位《5》プール熱 ↑(報告数17)
第6位《0》RSウイルス感染症 ↑↑(報告数16)
第7位《7》はやり目 ↑(報告数12)
《 》内の数字は先週の順位で、数字ゼロ(0)は先週の報告数が1桁だった疾患です。
赤い矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています(↑は増加、↓は減少、→は不変です)。
報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区内全医療機関からの報告数ではありません。大雑把に見て区内全域ではここに示した報告数の約10倍の疾患が発生しているとお考え下さい。
定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹と風疹と百日咳の3疾患すべてが報告数ゼロでした。21週連続になります。
同じ定期接種の対象疾患である水痘の報告数は今週は3例増えて報告数6例になりました。このところ毎週4例ずつの増減を繰り返していましたが、今週は3例の増加でした。