
小児インフルエンザの報告数は23例で5例の減少となりましたが、先週A型5例・B型23例だったA型とB型の比率は、今週A型15例・B型8例となり、A型とB型の比率が逆転しました。例年通りであれば、このままA型優位で流行が続くものと思われます。
成人インフルエンザはA型4例・B型5例の9例が報告されていて、先週のA型2例・B型5例に比べるとわずかに増加していますが、ほとんど横ばいといっていいでしょう。
感染性胃腸炎は大幅に減少しましたが、それでも報告数は3桁を維持しています。これから冬の流行期に向けて、インフルエンザ同様、うがい・手洗いによる予防が大切です。
先週2桁の報告数だったRSウイルス感染症とはやり目は共に減少しました。はやり目は1桁台の報告に後退しましたが、RSウイルス感染症は2桁を維持しています。これから本格的な流行期に向かいますので、1歳未満の小さいお子さんでは厳重な警戒が必要です。発熱とゼイゼイいう咳き込みが出たらなるべく早く小児科を受診しましょう。
季節外れの三大夏風邪(手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱)はヘルパンギーナが1桁台のまま横ばい、他の2疾患は減少をしているものの共に2桁の報告数を維持しています。
今週報告数が2桁増加した疾患はありませんでした。2桁減少した疾患は感染性胃腸炎(-12例)1疾患でした。
この週2桁以上の報告数があったのは、はやり目の報告数が1桁台に後退しましたが、水痘の報告数が2桁に達してしまったため、先週と同じ7疾患でした。
順位は次の通りで、先週と比べて大きな変動はありませんでした。
第1位《1》感染性胃腸炎 ↓↓(報告数155)
第2位《2》溶連菌感染症 ↑(報告数66)
第3位《3》小児インフルエンザ ↓(報告数23)
第4位《4》手足口病 ↓(報告数17)
第5位《6》RSウイルス感染症 ↓(報告数13)
第6位《5》プール熱 ↓(報告数11)
第7位《0》水痘 ↑(報告数10)
《 》内の数字は先週の順位で、数字ゼロ(0)は先週の報告数が1桁だった疾患です。
赤い矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています(↑は増加、↓は減少、→は不変です)。
報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区内全医療機関からの報告数ではありません。大雑把に見て区内全域ではここに示した報告数の約10倍の疾患が発生しているとお考え下さい。
定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹と風疹と百日咳の3疾患すべてが報告数ゼロでした。22週連続になります。
同じ定期接種の対象疾患である水痘の報告数は今週は連続で増加し、4例増えて報告数は2桁の10例になってしまいました。定期接種になってからまだ日が浅く、予防接種を受けずに大きくなってしまったお子さんの間での感染なのでしょうが、定期接種の対象疾患は一日も早く感染症の順位表に顔を出さないように、さらに言えば報告数ゼロの行進が続くようになってほしいものです。