
先週1週間で報告数が50例近く増加した小児インフルエンザは今週も30例以上の報告数の増加を見せ、トータルの報告数は100例丁度となりました。A型とB型の比率は先週がA型47例・B型21例、今週がA型71例・B型29例で比率はほとんど変わっていません。今シーズンも例年通りしばらくA型優位で流行が続くものと思われます。
成人インフルエンザはA型18例・B型9例の27例が報告されています。こちらもA型とB型の比率は先週とほぼ同じでA型優位です。
感染性胃腸炎も増加を続けています。ノロウイルスによるものも散見されますが、感染性胃腸炎というのは、感染性病原体(細菌やウイルスなど)によって起こる胃腸炎の総称ですので、広い意味では食中毒も感染性胃腸炎と言えないこともありません。でも普通感染性胃腸炎というとウイルス性胃腸炎のことを指します。ウイルスの種類はたくさんあります。その中の一つがノロウイルスというわけです。毎年今頃から年明けにかけて大流行を繰り返しています。うがい・手洗いによる予防がとても重要です。
さらに溶連菌感染症も増加を続け、こちらの報告数も100例を突破しました。溶連菌感染症の報告数が100例を突破するのは大流行と言えます。
先週1桁の報告数に減少したRSウイルス感染症は今週2桁台の報告に復帰しました。まだまだ本格的な流行期が続きますので、1歳未満の小さいお子さんでは厳重な警戒が必要です。発熱とゼイゼイいう咳き込みが出たらなるべく早く小児科を受診しましょう。
はやり目の報告数は先週とほぼ同数でした。この季節にはやり目の報告があること自体要注意です。
季節外れの三大夏風邪(手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱)の生き残り(?)プール熱は今週も2桁の報告数を維持しています。
今週報告数が2桁増加した疾患は小児インフルエンザ(+32例)、感染性胃腸炎(+25例)、溶連菌感染症(+23例)、成人インフルエンザ(+10例)の4疾患でした。2桁減少した疾患はありませんでした。
この週2桁以上の報告数があったのは、RSウイルス感染症が2桁に復帰して、先週より1疾患多い6疾患でした。
順位は次の通りで、トップ3は先週と変わりありませんでした。トップ3の報告数はすべて3桁になりました。インフルエンザが小児・成人共に上位を覗っています。
第1位《1》感染性胃腸炎 ↑↑(報告数262)
第2位《2》溶連菌感染症 ↑↑(報告数107)
第3位《3》小児インフルエンザ ↑↑(報告数100)
第4位《4》成人インフルエンザ ↑↑(報告数27)
第5位《4》プール熱 ↓(報告数17)
第6位《0》RSウイルス感染症 ↑(報告数10)
《 》内の数字は先週の順位で、数字ゼロ(0)は先週の報告数が1桁だった疾患です。
赤い矢印は先週の報告数との比較で矢印1つが1桁を表しています(↑は増加、↓は減少、→は不変です)。
報告数というのは定点指定医療機関だけの集計で江戸川区内全医療機関からの報告数ではありません。大雑把に見て区内全域ではここに示した報告数の約10倍の疾患が発生しているとお考え下さい。
定期予防接種の対象となっている疾患としては、麻疹と風疹と百日咳の3疾患すべてが報告数ゼロでした。24週連続になります。
同じ定期接種の対象疾患である水痘の報告数は今週は1例減って報告数は7例になりましたが、定期接種対象の疾患がこれだけ報告されるというのは望ましいことではありません。予防接種を受けずに大きくなってしまったお子さんの間での感染なのでしょうが、定期接種の対象疾患は一日も早く感染症の順位表に顔を出さないように、さらに言えば報告数ゼロの行進が続くようになってほしいものです。