
日々の診療ではこんなことも時々あります。「鼻水が出たので耳鼻科に行って薬をもらっていたけど、熱

20世紀以前、人々の健康を脅かしてきたのは感染症です。感染症は細菌やウイルスがヒトからヒトへとうつってかかる病気で、高熱をともなうことが多いのが特徴です。病原体(細菌やウイルスなど)の発見や、予防接種法の確立、抗生物質や抗ウイルス剤の開発などによって、20世紀を通して医学は大きく進歩し多くの感染症が克服されてきました。それでも人々の記憶から「感染症=高熱=生命の危険」という図式が消え去るにはまだまだ長い時間が必要でしょう。それに生命には関わらないまでも、こどもがかかる病気としては今でも発熱をともなう感染症が最も多いというのも事実です。
そこで久しぶりのこども診療所医学講座では「こどもの発熱」についてシリーズで考えてみたいと思います。
個人差はありますが、熱が出ると元気がなくなり、食欲も落ち、十分な睡眠が取れなくなるなど、こどもの暮らしは熱のために大きく障害されます。逆に熱が下がると急に元気になったり、熱が下がっている間だけ食欲が出たりします。ですから熱が出たら一刻も早く下げてあげたいと願うのは当然といえます。
熱を下げる手っ取り早い方法は解熱剤(熱さまし)を使うことでしょう。ただし、熱さましで一時的に熱を下げても病気そのものが早く治るわけではないこと、病気の勢いが強い

解熱剤は、お子さんの熱が高くて眠れずつらそうとか、熱と一緒に痛みも出てきてかわいそうといったようなときに、


ですから、「熱が何度になったら使うんですか?」というご質問に私は、「熱が高くてつらそうでかわいそうと思ったら使ってください。世の中には熱が40℃ぐらいあっても平気でテレビを見て笑ってられる子もいるんです。そういう子にとっては熱さましのためにテレビを中断させられることのほうがつらいですよね。」とお答えしています。
もう一つ、「何時間おき
