
11月3日文化の日(昨日)、奥多摩むかしみちを歩いてきました。新宿から奥多摩駅まで直通のホリデー奥多摩号というのがありますが、寝坊して乗り遅れたため、青梅特快で終点青梅まで行き、ホームの反対側で待っている奥多摩行きに乗り換え

奥多摩駅へ、午前中最後の奥多摩湖行きバス

になんとか間に合って、終点の一つ手前のバス停「水根」から「むかしみち」に入ります。天気予報は曇り

でしたが、歩き出した頃は晴れ間

が広がり、ちょっと早めの紅葉をきれいに照らしていました(写真左)。

このコースを選んだのは、金時山で懲りて、高低差の少ないコースを探したからです。しかも、奥多摩駅側からではなく、水根からスタートするとコースの大半は下り

です。ガイドブックにはコースタイム3時間とありましたが、3時間半から4時間のつもりで歩き始めました。最初は登り道ですが、しばらく登ると奥多摩湖を見下ろせる場所に出ます。ちょうど無風状態で、逆光でしたが奥多摩湖のドラム缶橋の向こうに対岸の山々が鏡のように映っていました(写真右)。携帯


のズームで撮影したので映像がぼけてしまいましたが、太陽が逆向きだったらさぞきれいだろうと思いました。
中山集落の浅間神社からはほとんど下りのコースになり、多摩川の川音を聴きながら、時には民家

の軒先を通ったり、道祖神や牛頭観音や馬頭観音などを道ばたで見たりしながら歩いてゆきます。虫歯地蔵とか耳神様などという民間信仰の対象もあったりします。これらは医者のいない山間の村々に伝わったおまじない的な信仰なのでしょうが、虫歯地蔵には煎った大豆を供えるとか、耳神様には穴のあいた小石を供えるとか、別のところにある縁結び地蔵には二股の大根を供えるとか微笑ましいものがあります。
多摩川には道所橋としだくら橋という吊り橋が架けられていて、そこから多摩川の渓谷美を楽しむこともできます。写真左はしだくら橋の上から惣岳渓谷を撮影したものですが、多摩川の清流は残念ながらこのところの雨のために灰緑色に濁っていました。

この「むかしみち」というのは、青梅から大菩薩峠を越えて山梨県の塩山へとつながる昔の青梅街道を整備してハイキングコースにしたものだそうで、一部は現在も車道

として使われています。もっと古い時代の部分はトンネルなど造れない時代のものですから、沢を渡ったり、山肌を細々とつないでいたりしています。コースの中程にある白髭神社というのは断崖絶壁の下に立てられていて(写真右)、この断崖は石灰岩の断層面が露出したものだそうで、東京都の天然記念物になっているそうです。

コースの終わり頃になると道は多摩川を少し離れ、廃線になった鉄道のあとを縫うように進みます。というより、鉄道が昔の街道を利用して敷設されたのだと思います。急峻な山間の鉄道はトンネルと鉄橋の連続で、もし今列車が走っていたら、鉄道好きの私はきっとレイアウトの参考にと写真を撮りまくっていたでしょう。写真左はその中でも圧巻の鉄橋跡で、高さは20mもあろうかという一大高架橋です。煉瓦造りの橋脚にデッキガーダーの鉄橋は現在私が製作中のNゲージのレイアウトにもあります。廃線になっているのが残念です。

そうこうするうちに終点の奥多摩の町に到着。ほぼ予定通りの3時間半の行程でした。そして「もえぎの湯」

という入浴施設に直行。その昔、金時山で死んだ私が温泉に入って生き返ったという故事にならって、コース選びには
終点に温泉がある
というのを山歩きの際の絶対条件にすることにしました。もえぎの湯は多摩川の渓谷に面して1998年に建てられたそうで、入場するのに30分待つほどの大盛況。入場料750円を払って中に入ると、30分待つぐらいですからけっこうな混雑でした。内湯と露天風呂があり、露天風呂からは多摩川の渓谷が眺められます。1時間以上かけてのんびりと湯

につかったあと、2階の広間つきの食堂でビール

を飲み、かき揚げそばを食べて帰ってきました。奥多摩駅はもうこんなに真っ暗でした(写真右)。
楽をしようと思って決めたコースなので楽は楽でしたが

、山頂を極めるという達成感がなかったのは残念でした

。やはり行った先に
何かが待っている
というのは大切ですね。それが温泉だけじゃちょっとね。それに民家の軒先を通ったり、舗装された車道を歩いたりが多くて、毎日の生活臭から離れられなかったのも残念でした

。たとえ翌日筋肉痛で歩けなくても、山を登って

降りて来る

というコースがいいですね。
posted by YABOO!JAPAN at 18:57|
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こども診療所日記
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山歩きで天候に恵まれる必殺技は、乗物も施設も全く予約を必要としない日帰りコースを選ぶことです。朝起きて雨だったら即中止です。でも私は脚力に自信がないので、連休の初日だけを山歩きにあてることにしていますので、一度チャンスを逃すと次の機会はなかなか巡ってきません。
なぜ連休の初日かと言いますと、もし山歩きでつぶれても仕事までもう一日余裕があるからです。開業医は医者一人でやっていますから、その医者がつぶれたら休診せざるをえないんですね。そうすると患者さんに迷惑をおかけすることになりますからこうやって休診を避けているわけです。
ところで山はもう冬ですから、今年の山歩きは今回でオシマイにしました。また来年暖かくなったら連休初日を狙ってどこかに出掛けるつもりです。
暖かくなり『山歩きしたぞ〜』っていうブログ楽しみにしてます・・・・あっくれぐれも臨時休診にはしないでくださいね!!!!!