2017年06月12日

熱性けいれん -シーズン3-

clinic.jpg 月曜日は医学講座の日。なぜなら人間のからだを表す言葉には「月」(ニクヅキ)のつく漢字が多いから。

 さて、けいれんが治まりました。熱性けいれんはほとんどの場合数分以内、多くは1分程度で治まります。今回は治まったあとどうするかをお話しします。

 まず、けいれんが治まったときにかかりつけの医療機関が診療時間内だったらその日のうちに受診して熱性けいれん以外のけいれんではなかったことを確認してもらいましょう。夜間や休日だったら翌日の受診でもよいでしょう。

 熱性けいれんかどうかは次のような諸点で判断しますが、絶対的な基準というよりは目安程度と考えて、医療機関での判断に任せたほうがよいでしょう。

 熱性けいれんとは?
1)けいれんが起こったとき(あるいは直後に)発熱があること
2)年齢が7歳未満であること
3)けいれんの持続時間が数分以内であること
4)24時間内に一度しか起きていないこと
5)けいれん後に意識障害や麻痺などを残していないこと
6)家族や親族に熱性けいれんを起こした人がいること


 けいれんが治まったあとのお子さんの様子は次の2通りがあります。1つはそのままケロッとして何事もなかったかのように行動する、もう1つは眠ってしまう、です。眠ってしまった場合には起こす必要はありませんが、昏睡でないことを確認するために時々手の甲や足の甲をつねって手足が反応するかを確かめましょう。

 ケロッとしている子も眠ってしまった子(目覚めてから)も次のことを確認しましょう。
1)呼びかけに対して今まで通りの反応があるかどうか
2)今までできていたのに、けいれん後できなくなった運動や行動はないか
3)今までに見たこともないような運動や行動はないか
4)今まで左右同じようにできていたことに左右差が出ていないか


 けいれん後すぐに受診するのであればこれらの確認は医療機関でしてもらえばいいと思いますが、翌日受診の場合などは家庭での確認が必要だと思います。そしてもしこれらの中で1つでも当てはまるようであれば、翌日まで待たずに夜間(休日)診療所や救急病院を受診したほうがよいでしょう。

 前回お話ししたように光の点滅はけいれんを起こしやすくします。けいれんが治まったあとでも古いチカチカする蛍光灯やテレビを見せることは避けましょう。

 食欲があればまず水分を飲ませて吐かないことを確認し、そのあとで好みの食べ物を少量ずつ与えるようにしましょう。

 基本的に熱性けいれんであれば「治まったあとは正常」というのが原則ですから、「なんかおかしい???」と感じたら色々考えるよりもすぐに医療機関を受診するほうが安心だと思います。

 さていよいよ次回はシリーズ最高傑作、ではなかった、シリーズのまとめ「熱性けいれんの予防」についてお話しいたします。



posted by YABOO!JAPAN at 01:00| Comment(4) | TrackBack(0) | こども診療所医学講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
熱性痙攣ならばそれほど心配は要らないってことですか??他にも痙攣を起こすことたとえばてんかん発作や脳の障害などとの鑑別が大事ってことですよね?いずれにせよ痙攣を起こすことは子供にとっても親にとってもかなりのストレスになるはず・・・・・予防法のシーズン3〜まとめ・・楽しみにしてます。視聴率アップしますよ????
Posted by ナッツまま at 2007年11月19日 21:46
 熱性けいれんだということがはっきりすれば怖くないということですが、その判断はやはり医療機関でなさったほうがいいと思います。

 てんかんなどならまだしも、急性の髄膜炎や脳炎・脳症などと簡単に区別できないこともありますから。
Posted by YABOO!JAPAN at 2007年11月20日 01:02
インフルエンザ速報も熱性痙攣シーズン3も、ああそんな季節が来てしまった・・・と身が引き締まるというか、背筋が凍りつく思いで拝見しました。
『もうどうか風邪を引かないで〜ああ熱を出さないで〜』と言っても無理な話ですもんね(T_T)
そして今週も診療所を受診するのかな・・・クリスマスVP見られるからいいかな・・・おっと3連休でしたね♪何とか乗り越えたいです☆☆
Posted by ユママンママ at 2007年11月21日 20:48
 せっかくの3連休ですから、病気のことばかり考えず楽しくお過ごしください。「笑う門には福来たる」です。
Posted by YABOO!JAPAN at 2007年11月22日 15:01
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