2016年04月06日

こどもの花粉症(集中連載3)

dav.jpg 曜日は医学講座の日。
 なぜなら人間のからだを示す漢字には
 (肉づき)のつくものが多いから。

 脳・肺・肝・腎・腕・脚・腰・腹・骨・・・・・。
 あなたはいくつ書けますか?


 前回は、アレルギー反応も生態防御機能の一つなのだけれど、通常とは異なった、奇妙な反応を起こしているのだということをお話しました。今回はこのアレルギー反応について少しだけ詳しいお話をいたします。

 抗原が体内に入ると抗体ができるという基本は同じでも、アレルギー反応の場合は、ある種の抗原がすべての人にとって抗原になるとは限らないという特徴があります。たとえば、はしかのウイルスまたはワクチンが体内に入るとすべての人にはしかに対する抗体ができます。ところが、スギ花粉が体内に入っても抗原(外敵)として認識して抗体を作る人と、抗原とは認識せず(味方として認識)抗体を作らない人がいるということです。この違いがどうやって起こるのかはまだ完全には解明されていません。

 抗原と認識して抗体を作る人にとって抗原のことをアレルゲンといいます。アレルゲンに対して抗体を作ることを感作といいます。同じアレルギー性疾患の人でも、その人によってアレルゲンが異なることがあります。Aさんは卵を食べるとアレルギー反応を起こすけれど牛乳なら起こさない、Bさんは卵は平気だけれど牛乳は反応を起こすというようにです。スギ花粉症ではすべての人がスギ花粉をアレルゲンとして感作されているわけです。

 また、すでに感作されているアレルゲンに出会えば、アレルギー反応は必ず起こります。「昨日は反応しちゃったけど今日は平気」ということはありません。よく、「離乳食で卵を食べたら発疹が出てしまった」と来院なさる方がいらっしゃいますが、「今回初めて食べたんですか?」と伺うと「今まで何回か食べてます」、「じゃ今回は調理法を変えたんですか?」「いいえ、いつもと一緒です」。これは卵アレルギーではないんですね。

 では、アレルゲンの量とアレルギー反応の強さは関係があるのでしょうか?私が医学部の学生で、アレルギー反応にかかわる色々な因子が発見され始めた頃には、「アレルギー反応はアレルゲンの量の多少には関係なく起こる」、つまりどんなに少ないアレルゲンでも出会えば必ず反応する、と教わりました。もう40年以上も前の話です。

 しかし、その一方で反応を起こさないぐらいにアレルゲンを薄めて(場合によっては1億倍にも薄めて)何回か注射をし、アレルゲンに慣らしていって次第に濃度を高め、だんだん高濃度のアレルゲンに対しても反応を起こさなくする治療(減感作療法といいます)も盛んに行われていましたから、アレルゲンの量とアレルギー反応の強さの関係はどうもよく理解できませんでした。

 今でもよくわからないのですが、花粉情報などでは「明日は花粉の飛ぶ量が多くなりますから十分ご注意ください」なんて言ってますから、最近では「アレルゲンの量が多ければアレルギー反応は強くなる」と考えられているのかもしれません。あるいは「アレルギー反応はアレルゲンの量に関係なく起こるが、反応の強さはアレルゲンの量によって変わる」ということなのかもしれません。

 アレルギー反応の基本を理解していただいて、いよいよ次回から「なぜこどもの花粉症(そっくりの病気)がふえているのか」という本題に入ります。


posted by YABOO!JAPAN at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所医学講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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