
ブリテンは20世紀イギリスを代表する作曲家だそうですが、名前を聞いたことがあるようなないような、もちろん曲を聴くのは初めてでした。現代音楽というのはあの不協和音みたいな音の響きがどうも苦手で、ほとんど聴いたことがないのですが、ミサ曲はオーケストラとソロ歌手と合唱が組み合わさって荘厳な曲が多いので、半分ほど期待して会場に入りました。
曲の始めは現代音楽に特有の人の不安を引っ張り出すような暗い旋律と、オーケストラの音が出ていないのとで、「こりゃ参ったね」という感じでしたが、合唱が加わり、オケの音もよくなり、だんだん引き込まれていきました。
「戦争レクイエム」は、写真(ホントは撮影禁止です)でもわかるように超大編成のオーケストラで演奏されます。管楽器は5管編成、パーカッショニストだけでも7人もいます。ピアノとハープもあり、曲の最後にはパイプオルガンも演奏されます。ステージの他にも3階席には高崎市の小学校の合唱部が陣取っています。
しかも、驚くことにオーケストラは2つ編成されています。第1・第2バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、ホルン、フルート、クラリネット、ファゴット、オーボエ、ハープ、ティンパニーがそれぞれ一人ずついて(全部で12人)、全体のオーケストラの中に独立して陣取っています。テノールとバリトンのソロのときにはこの小編成のオーケストラだけが演奏します。そしてその他の演奏中は何もしないでじっと待っています。
最終曲「リベラ・メ」では大小二つのオーケストラとパイプオルガンが一斉に演奏し、ソプラノ・テノール・バリトンのソロと群響合唱団のコーラスと小学生のコーラスとが掛け合うように歌いながら終曲を迎えます。
半分の期待は見事にいいほうに外れて大感動しました。モーツァルト、ベルディ、フォーレ。レクイエムはこの3つしか知りませんでしたが、やっぱレクイエムっていいですよね。そして、この大曲を演奏する群響の実力もすごいもんだと大感心しました。