
今日の棋譜は先週の指導対局の棋譜です。
いよいよ待望の(?)四枚落ち二歩突き切り戦法での天野先生との対局です。先生が「あ、それ違いますよ」と言わないように、開始前に「今日は二歩突き切りで行きます」と宣言しておきました。先生は「それって二枚落ちの定跡ですよ」とおっしゃいましたが、「先崎先生の本に出てたんです」と答えると「ハイ、どうぞ」という感じでした。
△3二金▲7六歩△5二玉▲4六歩△7二金▲4五歩△6二銀▲4八銀△5四歩▲4七銀△5三銀▲3六歩△6四歩▲3五歩△2二銀▲3八飛△6三玉▲3四歩△同歩▲同飛△3三歩▲3六飛△7四歩▲3七桂△7三金▲7八金△6五歩▲5八金△9四歩。
とここまで、先生の指し手は教科書とは違っていましたが、私の予想通り。私の指し手も教科書通り。スイスイと進行しました。そしてここで上手が△9四歩。教科書には「二枚落ちならここで▲9六歩だが四枚落ちの場合は▲9六歩を突かない」とあったので、私は迷わず▲6八銀と




(△9四歩以下)▲6八銀△9五歩▲6九玉△6四金▲5六歩△7三桂。
教科書には「この△7三桂を待って▲9六飛と回れば、四枚落ちなら大楽勝」と書いてあったのですが、その前に△9五歩と突き越されていたら▲9六飛なんてできませんよね


(△7三桂以下)▲4六銀△7五歩▲同歩△同金▲3五銀△6六歩▲同歩△8四歩▲6七銀△6四銀▲4四歩△同歩▲同銀△4三歩。
アララ

(△4三歩以下)▲3五銀△7六歩▲4五桂△8五歩▲4四歩△同歩▲同銀△4三歩▲5三桂成△同銀▲同銀成△同玉。
桂を1枚増やして再攻撃も結局桂損で不発




(△同玉以下)


自分では有利なのかどうかはわかりませんでしたが、上手最後の△4五銀(飛車取り)までは快調でしたね。上手の玉を孤立させ、上手の攻撃駒を一掃し、それまで動けなかった飛車角の道筋を開け、と金2枚も確実というところでしたからね。


ところがこの頃になると予定時刻をオーバーしてしまい、指導対局を終えた他の生徒さん達は一人二人と帰って行ってしまいました。教室には私と先生だけ。そして先生が言いました。「次の一手で勝ち負けが決まります。正しくさせれば下手の勝ち、そうでなければ負け。その一手を見て終わりにしましょう。」そして私が放った運命の一手(ドキドキ

(△4五銀以下)▲6六飛。
ブーッ


(△4五銀以下)▲6三歩成△3六銀▲5三歩成△3一玉▲4二金△同金▲同と△同玉▲2二角成。
これで上手玉に必至がかかり、下手玉は詰まない、つまり下手の勝ち

局後の指導では、上手の37手目、下手が▲4六銀と攻撃を開始したときの△7五歩のことを教えていただきました。「たいていの本にはこの△7五歩を▲同歩と取ると書いてあるんですけど、これだと△6六歩とされたときに下手は苦しくなっちゃうんですよ。やらせの手順というか、これでも下手有利になるように作った手順なんですね。ですから実戦では取らないほうがいいんです。」
確かに先崎八段の本にも△7五歩を▲同歩と取ると書いてありました。そして△6六歩も▲同歩と取って▲6七銀の形を作れば下手良形、とも書いてありました。でもその結果が今日の指導対局では桂損で攻撃失敗でした。
「ここは△7五歩▲3五銀△7六歩▲4四歩とすれば銀交換ができるんですね。」そして最後に、「もうすでに▲1二歩の垂らしの手筋を大分やってますから、二歩突き切りもいいですが、最初から二歩突き切りだと、飛香落ちになったときにまた▲1二歩垂らしが出てきて困るんですよ。」と言われました。確かに、きちんとしたカリキュラムで勉強を続けているときに勝手に別のカリキュラムを持ち込んだのは失礼でしたね。勝ちたい一心とはいえ本筋をはずれていました。でも、もう1回だけ、今回の指導を生かして二歩突き切りで指してみたい。ジレンマに悩んでいます
