2016年04月08日

こどもの花粉症(集中連載5)

dav.jpg 曜日は医学講座の日。
 なぜなら人間のからだを示す漢字には
 (肉づき)のつくものが多いから。

 脳・肺・肝・腎・腕・脚・腰・腹・骨・・・・・。
 あなたはいくつ書けますか?


 スギ花粉症が抗原抗体反応の一種であるアレルギー反応によって起こるという、どなたもご存じの基本から「なぜ近年花粉症、そしてこどもの花粉症(そっくりの病気)が増えているのか?」を考えています。

 前回は抗原抗体反応の抗原側、つまりアレルゲンとなるスギ花粉について私の考えをお話しさせていただきました。今回は抗原抗体反応の抗体を作る側、つまり最近のこどものからだに何が起こっているのかについて、これまた私の考えをお話しさせていただきます。

img02.jpg 近年、といってももう20年以上も前からですが、虫に刺されたときの反応がとても強く出てしまう子が増えています。私がこどもだった頃はもちろんですが、現在お子さんを連れてこども診療所にいらっしゃる世代の方々のこどもの頃も、虫刺されで病院に行くなんてことは考えもしなかったでしょう。「虫刺されなんかなめときゃいいよ」程度ですまされて、それでも翌日にはチョット赤味が残るぐらいでした。
(画像はすべてクリックで拡大されます)

img04.jpg ところが最近のこども達の虫刺されは、水ぶくれになってしまったり、真っ赤に腫れあがってしまったり、象の手足みたいにむくんで太くなってしまったり。親御さんがこどもの頃には経験したことがないような強い反応を起こしてしまいます。それでビックリして病院に連れてきてしまうのではないでしょうか?

img10.jpg 虫刺されというのは言ってみれば「よそ者が侵入しようとした」ということです。そのよそ者が一応身内に近いと判断すれば反応は弱くなります。そのよそ者が不倶戴天の敵だと認識したならその反応は強くなってしまいます。どうも最近のこども達は、虫刺されをとうてい許し難い敵の侵入と捉えているような気がしてなりません。だからこそあんなに強い反応を起こしてしまうのです。

 虫も花粉も自然の一部です。その自然の一部がからだに入ろうとするときに、「あ、身内の方ね、どうぞどうぞ」と受け入れていたのが昔のこども、「あ、敵が攻めてきた、やっつけなきゃ」と反応してしまうのが現代のこども。それだけ人間が自然から離れてしまったと言えるのではないでしょうか?

 虫刺されのあとの反応が強いのも、こどもの花粉症が増えているのも、ごく当たり前にある自然を素直に受け入れることができなくなってしまった人類に起こる当然の状況といえるかもしれません。

 それは自然を克服して服従させ、自分達に都合のよいように利用し続けてきた人類に対する、自然からのある種の警告ではないでしょうか?「自然はもう人類を仲間とは思っていない」。私にはそう思えるのです。

 こども診療所ではアレルギー性疾患の治療をそれほど積極的にはしていません。それはこれ以上自然に敵対すればますますアレルギー性疾患が増えてしまうのではないかという危機感があるからです。何でもかんでも科学を武器にして自然と闘っていては逆に人類が苦しむだけではないかと考えるからです。

 ではどうすればいいのか?それを次回お話ししてこの集中連載を終わりにしたいと思います。では次回をお楽しみに。


posted by YABOO!JAPAN at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | こども診療所医学講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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