
なぜなら人間のからだを示す漢字には
月(肉づき)のつくものが多いから。
脳・肺・肝・腎・腕・脚・腰・腹・骨・・・・・。
あなたはいくつ書けますか?
スギ花粉症が抗原抗体反応の一種であるアレルギー反応によって起こるという、どなたもご存じの基本から「なぜ近年花粉症、そしてこどもの花粉症(そっくりの病気)が増えているのか?」を考えています。
前回は抗原抗体反応の抗原側、つまりアレルゲンとなるスギ花粉について私の考えをお話しさせていただきました。今回は抗原抗体反応の抗体を作る側、つまり最近のこどものからだに何が起こっているのかについて、これまた私の考えをお話しさせていただきます。

(画像はすべてクリックで拡大されます)


虫も花粉も自然の一部です。その自然の一部がからだに入ろうとするときに、「あ、身内の方ね、どうぞどうぞ」と受け入れていたのが昔のこども、「あ、敵が攻めてきた、やっつけなきゃ」と反応してしまうのが現代のこども。それだけ人間が自然から離れてしまったと言えるのではないでしょうか?
虫刺されのあとの反応が強いのも、こどもの花粉症が増えているのも、ごく当たり前にある自然を素直に受け入れることができなくなってしまった人類に起こる当然の状況といえるかもしれません。
それは自然を克服して服従させ、自分達に都合のよいように利用し続けてきた人類に対する、自然からのある種の警告ではないでしょうか?「自然はもう人類を仲間とは思っていない」。私にはそう思えるのです。
こども診療所ではアレルギー性疾患の治療をそれほど積極的にはしていません。それはこれ以上自然に敵対すればますますアレルギー性疾患が増えてしまうのではないかという危機感があるからです。何でもかんでも科学を武器にして自然と闘っていては逆に人類が苦しむだけではないかと考えるからです。
ではどうすればいいのか?それを次回お話ししてこの集中連載を終わりにしたいと思います。では次回をお楽しみに。