2014年11月29日

赤ちゃんの肌はしっとりすべすべ?

hatena.jpg 子育て真っ最中の皆さん!毎日お疲れ様です。

 ちっとも言うことを聞いてくれない赤ちゃんやちびっ子に振り回される毎日だとお察し申し上げます。

 子育ての中で、「わざわざ医者に訊きに行くまでのこともないけどなんか気になる」・・・そんなことはありませんか?「世間ではこう言うけどホントかしら?」そんな疑問にお答えします。コメント欄に記入して送信してください。できればタイトルもおつけ下さい。そのタイトルでこのページにお答えを掲載いたします。

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 さて、下の3枚の写真は某サイトからの借り物(無断で)ですが、赤ちゃんのスキンケア用品とか紙おむつとか、とにかく赤ちゃんの肌にじかに触れるような商品の宣伝には、必ずこの写真のように全身ツルツル、シミも湿疹も発疹もない赤ちゃんが登場します。

baby1.jpgbaby2.jpgbaby3.jpg

 そして「赤ちゃんのお肌はしっとりすべすべ」な〜んてやるもんですから、皆さん赤ちゃんのお肌はしっとりすべすべだと信じていて、ほっぺに赤い斑点ができたとか、おでこに黄色いかさぶたみたいのがついたとか、胸がかさかさしてるとかを見つけるともう大変です。「しっとりすべすべじゃなくなっちゃった〜」といって医者のもとへ跳んでいくことになります。

 ところが実際には、生まれた直後から赤ちゃんの皮膚に出現する皮膚の症状として、病名だけ羅列しますが、新生児中毒性紅斑、新生児ざそう(にきび)、脂漏性湿疹、乳児湿疹、あせも、おむつかぶれ、などなど、いろんなものがあるのです。しかもここに並べたのは、病気というよりほとんどすべての子の皮膚に出る可能性のあるものばかりです。

 ですから赤ちゃんの皮膚については「赤ちゃんの肌はしっとりすべすべ」ではなくて「赤ちゃんの肌で何にもできていない部分だけを見ればしっとりすべすべ」というのが正しいのです。

 上に掲示した写真の子達だって、撮影の日は全身すべすべに磨き上げたかもしれませんが、翌日からはどこかに何かはできていたと考えてください。

 赤ちゃんの肌には何か「疹」があって当たり前。その「疹」が赤ちゃんに痛い思いや痒い思いをさせていないかが大事です。痛くも痒くもない「疹」だったら、しばらく様子を見てもいいのではないでしょうか。

 おわかりいただけましたでしょうか。




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漢方薬はからだにやさしい?

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 医者向けのあるサイトに掲載されたインタビュー記事で、ある小児科の女医さんが「からだにやさしい漢方薬はぜひこどもに使ってあげたい」というようなことを語っていました。確かに世間一般では、西洋医学のクスリに比べて漢方薬は効き目がマイルドで副作用も少ないと思われています。決して間違いではありませんが、そう言えるのは漢方薬が漢方医学の中で使われたときであって、西洋医学の中で使われたときには必ずしもからだにやさしいクスリではないのです。

 漢方薬は植物や動物など自然界にあるものの全部あるいは一部を乾燥させたり焼いたりしたものを、薬研(やげん)と呼ばれる道具ですりつぶし混ぜ合わせて作ります。ですからクスリとしての成分以外のものも一緒に混ざっています。

 一方、西洋医学で使われる薬も本来自然界にあるもののクスリとしての成分だけを抽出したり合成したりして作ります。余分なものを混ぜずにクスリとしての機能だけを求めるところなんかはまさに西洋的ですが、クスリとしての成分だけを比較すれば、漢方薬も西洋医学のクスリも変わりありません。だから副作用のある西洋医学のクスリと同じ成分を含む漢方薬にも副作用の危険はつきまとっているのです。

 また、西洋医学ではからだの中の病気の部位を治して健康を回復させようとしますが、漢方(東洋)医学では、体質や体調を整えて健康を回復させようとします。西洋医学の治療は直接的・分析的で、漢方(東洋)医学の治療は間接的・統合的だとも言えます。

 さらに、西洋医学では症状という、病気から直接発信される情報を出発点に治療を進めますが、漢方(東洋)医学では証というからだ全体から発信される情報を出発点に治療を進めます。

 このように医学の基本的思想が違うわけですから、西洋医学を学んだ医者が安易な気持ちで漢方薬を使うのは間違っていると私は考えています。すべての医者がそうだとは言いませんが、「肝臓病?だったらこの漢方薬」とか「アレルギー?だったらこの漢方薬」という風に西洋医学的な発想で漢方薬を使う医者が多いように感じています。

 これはとても危険なことだと思います。

 私にも漢方医学の知識はわずかながらありますが、西洋医学の知識や経験から比べたら本当に微々たる知識しか持ち合わせていません。症状を捉えることはできても証を正しく捉えることはできないのです。ですから私は自分から漢方薬を使ったり勧めることはしていません。

 どうぞ漢方薬をお使いになるときには、漢方(東洋)医学に精通した医者から、漢方(東洋)医学的な診断を受けて処方してもらってください。それでこそ漢方薬はからだにやさしい効果をもたらしてくれるでしょう。

 おわかりいただけましたでしょうか。
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2014年11月22日

医者はどうして風邪をひかないの?

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 さて、今回のハテナ?は子育てには直接関係ありませんが、こういう疑問をお持ちの方もたくさんいらっしゃるだろうと思って採り上げました。

 医者、中でも小児科の医者は1年中こどもの感染症におつきあいしています。こどもの感染症の多くは空気感染や飛沫感染でうつる病気ですから、小児科の医者は1年中病原体(ウイルスや細菌)の攻撃にさらされていることになります。

 でも、小児科の医者が感染症で休診になったなんて聞いたことありませんよね。どぉしてでしょう?

 昔から「〇〇は風邪をひかない」という言葉があります。この〇〇の所は適当な言葉を入れてください。おわかりですよね。

 あっそうか!医者は〇〇だから風邪をひかないんだ!!!

 違いますよ!

 風邪の話が続きますが、今日は「医者はなぜ風邪をひかないか?」という疑問に詳しくお答えしようと思います。

 はしか(麻疹)や水ぼうそう(水痘)やおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)など多くのウイルス性の感染症は一度かかると一生涯続く免疫ができて二度とかかることはありません。では、一般的に「ウイルス性の風邪だね」といわれる感染症はどうなのでしょう。

 インフルエンザウイルスのように短期間のうちに変異を起こすようなウイルスを除けば、ほとんどのウイルス性疾患は一度かかれば一生涯続く免疫ができます。

 ではなぜ、小さいお子さん、特に集団生活をしているお子さんはしょっちゅう風邪を引くのでしょう?

 それは一般的に風邪ウイルスと呼ばれるウイルスの種類が多いからです。その数は300種類にものぼるともいわれています。一つのウイルスに対してできた免疫はそのウイルスにしか免疫効果を発揮できません。風邪がいったん治ってもその次にやってきたのが別のウイルスだったらやっぱり風邪をひいてしまうのです。そうやって一つずつウイルスに対する免疫を身につけていくのです。

 でも、すべての風邪ウイルスに対して免疫を獲得するには300回も風邪をひかなくてはなりません。毎月2〜3回ずつ風邪をひいても、300回風邪をひくためには10年という年月が必要です。ちょうど小学校の高学年になる頃です。

 すでに大きくなったお子さんがいらっしゃる方はおわかりと思います。「小さいときはしょっちゅう風邪をひいていたけど、小学校高学年になってからはほとんど風邪をひかなくなった」と。

 そしてこうも感じられるはずです。「でもうちの子300回も風邪ひいてないと思うけど…」。

 いえ、ちゃんと風邪はひいていたのです。もちろん300回もひいてはいないでしょうが・・・。

 ウイルス性疾患にはウイルスに感染しても発病しない「不顕性感染」というのがあります。不顕性感染であっても感染したことによって免疫は獲得され、免疫が蓄積されていきます。そうやって小学校高学年になる頃には、そこら辺にいる風邪ウイルスのほとんどに対する免疫が出来上がっているわけです。

 免疫の出来ているウイルスに感染しても発病はしません。でも感染の刺激によって免疫はパワーアップされます。このパワーアップの繰り返しによって長期間免疫状態が持続するのです。

 一般の方に比べると医者はこのパワーアップの回数が桁外れに多くなります。もう体中『強力免疫ボディ−』です。風邪なんかひきたくてもひけないような状態です。

 でもそれは私のように長年小児科医をやっている医者の話で、私だって若い頃はお子さんからうつされたと思われる風邪をひいたことがあります。特に若いうちは何年かごとに勤務する病院が変わって、あちこちの地域に移動することがありますので、新しい地域に行くと風邪をうつされやすいのです。

 「そこら辺にいる風邪ウイルス」というのは以前勤めていた病院のある地域の「そこら辺」で、地域が変わるとまたその新しい地域に「そこら辺の風邪ウイルス」がいるのです。そのために中には今まで出会ったことのないウイルスに感染するということがあります。

 そうやって数多くのウイルスに対する免疫を貯め込んでこそ『強力免疫ボディ−』が出来上がっていくのです。

 これで医者が風邪をひかないわけ、おわかりいただけましたでしょうか。

 決して〇〇だからではないんですよ。



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2014年11月15日

母乳の子は病気にならない?

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 さて今日は、前回同様古い話題で、今時こんなことを信じている方は少ないとは思うのですが、「母乳を飲んでいる赤ちゃんは、母乳の免疫に守られているから病気にならない」というこれまた伝説(?)についてお話しします。

 20年ほど前に、一種の母乳ブームが起こりました。食べ物のアレルギーが社会的に問題になり始めた頃です。母乳推進運動も盛んに行われ、粉ミルクに比べて母乳の優れた点が大々的に宣伝されました。その中の一つが「母乳には免疫物質が含まれているが、粉ミルクには含まれていない」でした。

 これは確かにその通りでして、母乳には、粉ミルクに含まれていない免疫物質が含まれてはいます。でも、前回お話ししたウイルスに対する免疫と違って、個々の病気に対応したものではありません。細菌全般に対する免疫物質なので、「どの病気にはかからない」とは言えないのです。しかも、その量たるや微々たるもので、病気を引き起こすほどの細菌の大軍に攻めてこられたらひとたまりもありません。

 そしてまた、ウイルスに対する免疫は母乳に含まれているのではなく、おなかの中にいる時にお母さんが持っている免疫をへその緒を通して受け取ったものなのです。

 母乳推進運動の当事者達は決して「母乳には免疫物質が含まれているから病気にかからない」とは言わなかったのですが、「母乳=免疫=病気にならない」という連想が一人歩きしてしまって伝説(?)が生まれてしまったのだと思います。

 母乳が赤ちゃんにとって最良の食べ物であるということは疑いのない事実ですが、決して過大評価しないでいただきたいということと、粉ミルクが牛乳から作られるという出発点の違いはいたしかたないとしても、最近の粉ミルクはかなり母乳に近いものが作られていますし、ミルクアレルギーに対処できる粉ミルクなど種類も多いので、粉ミルクは母乳より劣るとは考えないでいただきたいと思います。

 おわかりいただけましたでしょうか。



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2014年11月01日

生後6か月までは風邪をひかない?

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 さて、第1回の今日は、ちょっと古い話題ですが、「赤ちゃんは生まれてから6か月ぐらいまではおなか(子宮)の中でお母さんから貰った免疫があるので風邪をひかない(病気にならない)」という伝説(?)についてお話しします。

 この伝説(?)はまるっきりウソではありませんが、かなり誤りがあります。正しくいうと、「生後6か月ぐらいまでの赤ちゃんはおなかの中でお母さんから貰った免疫があり、貰った免疫の病気だけにはかからないけれど、貰っていない免疫の病気にはかかってしまう」となります。

 赤ちゃんがお母さんのおなかの中で貰えるのはウイルスに対する免疫だけです。はしかや風疹はその代表ですが、風邪のウイルスというのは300種類ぐらいあると言われています。お母さんが生まれてから妊娠するまでの間に300回も風邪をひいたでしょうか?そんな人はまずいません。ですからお母さんから貰わなかったウイルスの免疫は赤ちゃんにはないのです。「ない袖は振れない」ということですね。

 お母さんから貰わなかった、つまりお母さんが今までにかからなかったウイルスがやってきたら赤ちゃんが風邪をひくのはもちろんですが、お母さんにもそのウイルスの免疫はないわけですから、当然お母さんも同じ風邪をひくことになります。でも、お母さん(おとな)が病気全般に対して持っている一般的な免疫パワーと、生まれたばかりの赤ちゃんの一般的免疫パワーでは比較になりません。ですから、赤ちゃんが風邪をひいてもお母さんはかからないということもおきます(一般的免疫パワーというは個々のウイルスに対する免疫とは違います)。

 また風邪の原因になるのはウイルスだけとは限りません。中には細菌によって起こる風邪もありますし、小さな赤ちゃんは気温が急激に変化したり、湿度が急激に変化しただけでも風邪をひきます。

 細菌に対する免疫はおなかの中でお母さんから貰うことはできません。そしてウイルス性の病気よりも赤ちゃんにとっては重大な病気をひきおこすことが多いのです。ですから、小児科医は生後間もない赤ちゃんが熱を出したりすると、ウイルス性なのか細菌性なのかを判断するためにとても神経を使います。

 おわかりいただけましたでしょうか。
ラベル:子育て 育児
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